諦めません。１２. ページ17
桜夜side
それは傍から見れば、ただの八つ当たり。
けれど私には、それを口にする権利がない。
八つ当たりだと言える証拠も持っていない。
まして宇都宮さんのやったことが、
今までのことすべてが演技だったなんて。
そんなこと、言えない。
まだ、言えない。
田中「お前がここに来たから！
梟谷なんかに行くからこんなことになったんだよ！」
言えない、けど。
西谷「叶がああやって傷つくこともなかったんだ！」
そんな言葉、聞きたくない。
梟谷の皆に、聞かせたくない。
それを聞かされる度に、その思いが強まる。
それと並行して、私の感情が静まっていく。
事実を知らないで、ただ平穏にバレーをしてほしかった。
それが私の、今までの願い。
知られないなら、そのままでよかった。
ただ密かに、解決したかった。
けれどもう、そんな願いを持つことが虚しくなってきた。
私が願ってきたことが無意味だと、
そう言われているようにしか聞こえなかった。
おもむろに、私を抱きしめている京治の腕を解く。
赤葦「桜夜？」
呼ぶ声だって、聞こえない。
立ち上がり、
ここから少し離れた場所で喚き散らす彼らに近づく。
月島「なんですか？文句でもあるんですか？」
日向「叶を傷つけた先輩が悪いんですよ！」
その通りだね。
そう頷くのは容易いけれど、否定するのは難しい。
桜夜「何か、勘違いをしていませんか？」
月島「………勘違い？」
桜夜「私は貴方達のことを知りません。
今日顔を合わせた時、私はそう言いませんでしたか？」
月島「だからなんだって言うんですか？」
桜夜「彼女が私を誰かと勘違いしている
……………貴方達は、そう考えないんですか？」
敵と同じ顔をした別人。
そう考えても割り切れることでないと、解っている。
月島「そんなこと、できるワケないですよ。
同じ名前で同じ姿形をしているのにそんなことっ」
桜夜「言いがかりは、やめてくれますか？」
だけどもう、話すこともしんどい。
自分達が真実だと、そう信じているから。
自分達が嘘だと、疑うことをしないから。
桜夜「これ以上の話は不要です。
私は貴方達が探している人ではないし
………ましてや、貴方達の敵などではないです」
一度言葉を区切り、烏野皆の顔を見渡す。
桜夜「これ以上何か言うのなら、実力行使、しますから」
ただ一言、そう告げた。
まるでそれは、最終通告のように。
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聖華(プロフ) - ジュリさん» ジュリさん、コメントありがとうございます。とてつもなく遅い更新を早くできるよう、頑張ります。応援ありがとうございます。 (2017年9月16日 11時) (
レス) id: c07a3965b5 (このIDを非表示/違反報告)
ジュリ - 更新楽しみにしてます！ (2017年9月14日 19時) (レス) id: 84c51744c8 (このIDを非表示/違反報告)
聖華(プロフ) - るーさん» るーさん、コメントをありがとうございます。今はまだ煮詰まってて更新がとっっってもスローペースですが、更新を待ってくれれば幸いです。応援ありがとうございます！ (2017年6月9日 16時) (レス) id: c07a3965b5 (このIDを非表示/違反報告)
るー - とってもおもしろいです！主人公の気持ちの強さに感動しました。これからも更新など頑張って下さい！応援しています！！ (2017年6月9日 0時) (レス) id: 179cc2b81d (このIDを非表示/違反報告)
聖華(プロフ) - 花さん» 花さん、コメントありがとうございます。いやいや、私が書く拙い文章なんかに憧れないでください。（笑）ゆっくり、確実に更新していきますね。更新頑張ります！ (2017年5月29日 20時) (レス) id: c07a3965b5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：聖華 | 作成日時：2017年4月27日 19時
