6話 ページ6
名を呼んだ瞬間、地響きと共に建物が吹き飛ぶ。
相変わらず威力凄いな。
人間に対する被害は無効化するようカバーしたが大きな社は粉々に崩れ落ちた。
これらの光景に腰を抜かしたのか目の前で崩れるようにへたり込む大人達。
大人達の視線は私と子供達の背後に立つ燃える尻尾を揺らす虎へと向けられる。
「神の器はどこ?」
再度問うと震える手である場所を指さす。
その先には本殿と思われる建物が。
「連れてきて。」
雷汞にそう指示を出すとすっと消えていった。
雷汞が消えたのとほぼ同時頃に姉さんが走って近づいてくる。
「また派手にやったねぇ。」
帳下ろしてないんだけどーっと文句を言われるがどうせ山奥の村なんだ。
しかも密集している全ての村が関わってる事なら帳など無理に下ろさなくても問題は無い。
「さて、呪願祭について教えてもらえるかな?」
姉さんが1番近くにいた男にずいっと迫る。
するとぽつりぽつりと震えながらも説明を始めた。
説明を聞き終わり姉さんと目を合わせる。
そしてそれで全部?っと村民に聞くとその場にいた大人全員頷く。
「報告と一致。真新しい情報はなしだね。」
「呪願祭を創った人間は?」
「わ…わからない…。」
分からないって何よーっと姉さんが男に掴みかかったのと同時に雷汞が神の器と思われる子供を連れて戻ってきた。
その子供は生贄の子供達とは違い目元を布生地で覆っている。
全員子供か。
降ろされた器の子を抱き上げ目元の布生地に手を伸ばす。
布が外され眩しそうに目をぱちぱちとする子供。
足元には泣き止んだ双子が私の服にしがみついている。
神様ね。
くだらないと溜息を吐く。
「いい?貴方達が創ろうとしてる神ってのはこういうのなんだよ。」
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作者名:はて | 作成日時:2021年10月20日 0時