15話 ページ15
12月13日。
「4月からならって受け入れてくれるとこあったよ。」
「やっぱりこの時期は無理?」
部屋の隅で小さく固まってる子供達を横目に姉さんと話をする。
タイミングが悪かったといえば確かに悪い。
冬休み前のこの時期に加え年明けは色々と忙しい。
そりゃキリのいい4月からって事になるのだろう。
「双子も幼稚園に入る歳だし同じタイミングで入園させる感じでいいんじゃない?」
「まぁ向こうが4月からって言うなら仕方ないか。」
でも私もこの時期は任務で家を空ける。
今は姉さんに色々任せているがこれを4月までと言ったらかなり負担がかかってしまう。
上が子供達が入園するまで休ませてくれるとも思えない。
どうしたものかと悶々と考えていると姉さんが最近の任務について聞いてきた。
「低級案件が1件程度。一応そこら辺は考えてくれてるっぽい。」
「脅しにビビってるだけじゃない?子供達が入園後は多分地獄だよー。」
姉さんの言葉を否定できないのが少し悔しいが自分が言ってしまったことだ。
そこはちゃんとやるしかない。
「明日の案件は?」
「降霊遊びとかいうやつ。」
学生の間で流行っている遊び。
こっくりさんに似たようなものだ。
「馬鹿がふざけてやらかしたんだと。」
「遊びと言っても降霊術の類だろうしねぇ。変なの呼んだんだろうね。」
「姉さんが行ってもいいんだよ?相性最高だろうし。」
私がそう言うと確かにっと笑う。
明日は多分帰って来れない。
子供達がまだこの様子なので離れるのは少し心配だが長引かなければ一日で終わる案件だ。
なんとかなるだろう。
「子供達お願いね。」
「任せなさい。」
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作者名:はて | 作成日時:2021年10月20日 0時