マフィアの彼女は烏に憧れて

異能力 ページ10

?｢ひぃｯ!!｣

怯える声が聞こえる。嗚呼……その声が快感に身体が震えるくらいに、私は狂ってやがる。

何時もなら多少なり加減してやるんだけど……

『悪ぃな、今回は加減してやれねぇわ。


おら、死ねや』

息を吸い声を張り上げる。目の前が赤く光り、異能が発動する。

『異能力!!"山羊の歌"!!!!』

(芥川side)

中原Aが異能力を使う。
僕はいつも近くで見る事が無かった。今回が初めて、至近距離での異能力を見る。

血液操作…組合の牧師と似たものだとは聞いていたが、それと比べ物にならないほど、大きい。

大きな刀を型取ったと思えば小柄な体躯からは想像出来ない速度で男に詰め寄る。

矢張り連中の持っていた武器は拳銃、後は…

｢注射器……だと…?｣

『ははｯ……そんなので止められと思ってんのかぁ!?』

兄の中原さんと同じような荒っぽさ。
そうか、弱い筈がない。あの人と常に行動を共にしているのだ。
体術において、最も適任の人がそばに居る。
負ける、訳が無い

そして周りの事などお構い無しに…

『トロいんだよ!!』

1人の首を跳ね、1人の心臓付近を貫き宙ずりにさせた。

敵の血が滴る。足元やその周りを紅く染める

背後では息を呑む音が聞こえる。

怯えて目をそらす者も居る。

芥川｢……外に出ておけ。対処は僕等が行う。｣

武田｢…待ってください。僕は残ります。少しお話を聞かせてください｣

芥川｢……話す事など…｣

蛍｢…あるﾃﾞｼｮ。｣

あの時の部屋の隣の男。
狙われたのは此奴だったが………

『……芥川。連絡はついた。もう時期に処理半が来る。学校側にバレる前に帰るぞ』

芥川｢……止血は｣

『終わった。ベトベトするから帰って洗いたい』

終わった後は変わらずのマイペース
驚いた顔をしたままの学生達は気付いた事を口々に言い始めた

だが1人、冷静な男がいた。

｢…ベトベトするからという理由なら、家に行っても良いよな?……俺らはこれのせいで練習が出来ない。それに対するお詫びで…構わないよな?｣

｢スガさん…!!｣

｢こんな怖いヤツらのとこに行くんすか!?｣

｢…得られる情報は……取らないとって事っすよね…?｣

日向｢影山…!?｣

生徒共が落ち着く度にAの顔が歪んでいく。
ああ、めんどくさいと思ってる顔だ。

『……来たいなら好きにしろ。手前らをもてなすもんは何もねぇからな』

そう言っていつの間にか脱ぎ捨ててあった外套を着ると飛び出して行った。

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