マフィアの彼女は烏に憧れて

平和は突如として、地獄と化す ページ9

(月島side)

いつも通りのミーティング。コーチと武田先生から今度の合宿についての説明。

今回は音駒高校の方に行く側だということで、いつもよりテンションの高い単細胞達を眺める。

｢で、次の事なんだが……あ?｣

目線を上げたコーチが見たのは僕達よりも遥か後ろ。
気付いた僕達も後ろを振り返ればスーツの男が2人、何か持ちながら近づいてきていた。

烏養｢おい!なんだテメェら!!｣

武田｢烏養君!生徒を外に!｣

持っているものをもし危ない物だったらを想定してか、武田先生は僕達を扉に向かわせた。
けど勿論そんなのを許してくれる訳じゃないみたいで、僕達に向けて走ってきた。


武田｢皆さん!早く逃げて!危険かも知れません!｣

烏養｢呼べたら警察も呼べ!俺らでなんとかするから!｣


間に入るように入った先生。キャプテンが順番に皆を外に出そうとした時、

『…芥川!下から行け!上からは私が行く!』

ついさっき、家を出る時に聞いた声。
高めのよく通る声。その人が飛び出してきたのは2階、窓からだった。

｢……中原…さん…だよね…?｣

忠｢え、ツッキー知り合い…?｣

僕の声を聞いてか山口が僕を見る。
どういうことなのだろう…?何故越して来たばかりの彼女が、あの男らと対峙してるのか……

｢ｺﾞﾎｯ……退け、邪魔だ｣

日向｢うわｯ…!!｣

日向の声に振り返れば全体的に真っ黒な男が入ってきた。
この人が多分芥川……あの中原さんと一緒に来た人。

『芥川!手前そこで断絶張ってろ!』

芥川｢……嫌ですね｣

『おい!』

芥川｢…中原さんに言われたのでしょう、無駄に異能力を使うなと。｣

『……今日はそんな使う気ねぇよ』


異能力とはなんだろうと考えるが……


中原さんがそう言うと徐にナイフを取り出し…





自分の掌に、ナイフを突き刺した

異能力→←体育館の音

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月島蛍

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