9 万里姉side ページ10
朝早く目が覚めてしまったので寮内を散歩していると控えめなドアをあける音がしたので玄関の方に足を向ける。
｢あ、おかえりなさい｣
千 ｢ただいま…って誰？｣
綺麗めなスーツにキャリーケースを持っていたのでもしや至と同室の人では？と、とりあえずおかえりなさいとか言ってみたけどそりゃそうなるわな。
帰ってきたいきなり知らない女いたら普通はクソ驚くよね、うん。
｢昨日からここでお世話になってます。万里の姉の摂津千里です｣
ここまでに至る経緯などをとりあえず説明する。
この人は至と同じ会社に務める人で、先輩にあたる人らしい。確かにエリート商社マンって感じがする。
｢こんな朝早くに帰宅なんて大変ですね｣
千 ｢まぁよくあることだし慣れてるよ｣
｢仕事で海外とかカッコイイなぁ…｣
お土産やらなんやらと荷物の多い千景さんの手伝いをしつつリビングに行くといづみちゃんがいた。
｢いづみちゃん早いね？｣
い ｢千里さん…じゃなくて千里ちゃんも。あ、千景さん。おかえりなさい｣
いづみちゃんにはタメだしこれからはちゃん付けで呼んでって昨日のうちにお願いしておいたのだ。可愛い子にちゃん付けとか、最高。
い ｢千景さんこの後寝ます？朝ごはんは｣
千 ｢2時間とりあえず寝れればいいから朝ごはんの時は普通に呼んで｣
｢あ、あとこれ。お土産だって｣
千 ｢いいえ。じゃあもう部屋戻るから｣
そういうと私が持っていた荷物をかっさらって部屋の方に行ってしまう。
うーむ。1番難しいタイプ。攻略難易度が高い系だな。
｢そうだ、いづみちゃん。まだ4時なのにどうしたの？｣
い ｢少し目が覚めちゃって。千里ちゃんもかな？｣
｢そうなの。温かい飲み物でもいれて寝直そうか｣
い ｢と言っても1時間後にはご飯の準備｣
｢確かにそうだ！朝ごはんは私にも手伝わせてね｣
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