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4:悪口だって聞き慣れるとただの雑音でしかない ページ5

「やはりここに居たか」

今日こそは来るかと思いきや、今日も今日とて講武館に高杉が居なかったのでいつも高杉がサボりに来ている神社に来てみればやはりそこには高杉がいた。

「また塾で大暴れしたらしいな。国の未来を担う秀英が集う講武館も貴様を収める器には足らぬというのか高杉」

そう問いかけると高杉は体を起こして口を開く。

「笑わせるなA。あそこにいるのは親のコネだの金だのを引き出す才覚しかないボンどもだ。俺は真面目に稽古しろと言うから本気を出しただけだよ。喧嘩の仕方も知らない連中がこの国をどんな未来に導くか楽しみだな」

確かに言っていることは間違ってはいない。

しかし、

「高杉。それでもお前は幸せなのだぞ。世には貧しさ故に文字も読めぬ者もいる。なりたくとも侍になれぬものも居るのだ」

ゆっくりと立ち上がると高杉はこちらに近づいてくる。

「流石は才覚だけで特別入門が許された神童は言うことが違う。お前ならあそこで立派な侍になれるさ」

明らかに嫌味だ。
しかしそれももう聞き慣れてしまった。

「お家だの御国などのために働き死んでいくそんな立派な侍にな。悪いが俺はそんなつまんねぇものになるつもりはねぇよ」

吐き捨てるように言う高杉は一度もコチラを見ずに階段の方へ行ってしまう。

その後ろ姿にAは吠えた。

「ならばお前は一体どんな武士になりたいというのだ。お前はどこへ行こうと言うのだ」

「さぁな。そんなもん分かったら苦労しねぇさ」

そこまで言うと高杉が動きを止めたので高杉の向こうの方にAが視線を投げかけると講武館の同門達が木刀をさげて並んでいる。

「高杉。うちの弟が世話になったらしいな」

「下級武士の子せがれの分際で身の程をわきまえろ」

「ふん。少しはマシな稽古が出来るのだろうな」

まずい。そう思ったAは急いで高杉の肩を掴むと止めにかかる。

「待て。稽古での遺恨を私闘で晴らそうとはそれでも武士を目指すものか。それも多勢に無勢で」

「Aか。丁度良い。特待生だか知らんがろくに金も納めん上に女であるお前と机を並べるのも我慢の限界が来ていたところだ」

まただ。決まり文句のような悪口をAはギュッと我慢する。

「聞いたろA。ここには侍なんていねぇよ」

哀れんだような声色を帯びた高杉に何も言い返せなかった。

「纏めて畳んでしまえぇえええ!!」

5:白髪の少年と吉田松陽という男→←3:黄昏時には少ししんみりとした気持ちになる



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茉莉(プロフ) - 宇治さん» めちゃくちゃ返信遅くてすみません!宇治さん、ありがとうございます!! (2019年5月5日 22時) (レス) id: 51e720f33e (このIDを非表示/違反報告)
宇治(プロフ) - こんばんは、宇治です。女の子要素無しの夢主、良いじゃないですか…!!好きです。とても。更新頑張ってくださいね!応援してます! (2019年4月15日 0時) (レス) id: c046a70699 (このIDを非表示/違反報告)
茉莉(プロフ) - 赤蛮奇さん» ですよね!幼少期はみんな可愛いですけど高杉の可愛さは異常…!ありがとうございます (2019年4月4日 12時) (レス) id: 51e720f33e (このIDを非表示/違反報告)
赤蛮奇 - 幼少期高杉ヤバイですよね!アレはもう犯罪級ですよね!更新頑張ってください楽しみにしてます! (2019年4月3日 2時) (レス) id: 2a668a49bb (このIDを非表示/違反報告)
茉莉(プロフ) - (о´∀`о)さん» ありがとうございます! (2019年3月24日 19時) (レス) id: 51e720f33e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:茉莉 | 作者ホームページ:p://  
作成日時:2019年3月24日 9時

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