3:黄昏時には少ししんみりとした気持ちになる ページ4
「ん?今日は居ないのか」
最近のAの日課は高杉が居ようと居まいと例の神社に油揚げを持って立ち寄ることだ。
大抵Aが現れると待っていたと言うように姿を現す狐が今日は見当たらない。
「狐殿?どこに居るんだ」
数度呼びかけるとケーンと言う鳴き声が頭上からした。
「おや、今日は木の上に居ったか。油揚げを持ってきたから下りてくるといい」
Aの言葉を理解しているのかしていないのか、そう呼びかけるとするりと軽やかに足元に来る。
「お前は隠れるのも上手いのだな」
足に擦寄る狐を抱き上げると階段に座って油揚げを食べさせる。
とても癒されるものだ。
「狐殿は自由でいいな。羨ましいものだ」
油揚げを食べ終わると狐は首を傾げてAの方を見ていて何だか不思議そうにしているようにも見える。
「いやここの守り神ならば自由でもないのか」
隣に寄り添うようにして丸まったそいつを優しく撫でる。
「もう黄昏時だな。そろそろ家へ帰らなくてわならぬ」
黄昏時は現世とあの世の境が曖昧になると言う。それならば…
「父上も母上もお婆も、逢いに来てくれれば良いのにな」
ボソッと呟いた言葉に狐は反応するとAの首まで上がりするりと巻き付く。
「どうした?」
今までそんなことされた覚えがないので問いかけるとフワフワの尻尾が頬を撫でる。
「なんだ、お前も寂しいのか」
そんなAの問いに答えるように狐はAの頬を自身の尻尾で撫で続けた。
「仕方あるまい。一緒に帰るか」
離れる気配のない温もりに言葉ではそう言いつつ顔を綻ばせてAは立ち上がった。
夕日の綺麗な穏やかな日だった。
4:悪口だって聞き慣れるとただの雑音でしかない→←2:これでも一応女なんです
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茉莉(プロフ) - 宇治さん» めちゃくちゃ返信遅くてすみません!宇治さん、ありがとうございます!! (2019年5月5日 22時) (レス) id: 51e720f33e (このIDを非表示/違反報告)
宇治(プロフ) - こんばんは、宇治です。女の子要素無しの夢主、良いじゃないですか…!!好きです。とても。更新頑張ってくださいね!応援してます! (2019年4月15日 0時) (レス) id: c046a70699 (このIDを非表示/違反報告)
茉莉(プロフ) - 赤蛮奇さん» ですよね!幼少期はみんな可愛いですけど高杉の可愛さは異常…!ありがとうございます (2019年4月4日 12時) (レス) id: 51e720f33e (このIDを非表示/違反報告)
赤蛮奇 - 幼少期高杉ヤバイですよね!アレはもう犯罪級ですよね!更新頑張ってください楽しみにしてます! (2019年4月3日 2時) (レス) id: 2a668a49bb (このIDを非表示/違反報告)
茉莉(プロフ) - (о´∀`о)さん» ありがとうございます! (2019年3月24日 19時) (レス) id: 51e720f33e (このIDを非表示/違反報告)
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