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戦犯ごめん ページ4

伸ばされた縄にしがみついて、彼はそれを狙ったように引っ張り、僕を担ぎ上げた。くらくらと頭は回ったままだし、傷も痛いままだけれど彼は僕を地面に落とす。もう一度、ハンター——今日は確か、『隠者』さんだ——が僕を吊り上げるともういちど彼、カウボーイの彼は僕を縄で引き寄せた。
「君っていっつもすぐ捕まるね!」
「あう…ごめんなさい…」
隠者の軽い舌打ちが聞こえて、僕はまた地面に落とされたままで頭を抱える。嫌気がさしたのかカウボーイにターゲットを変えたみたいだった。
アデュー、みたいな顔をして反対側に去っていった彼を見て隠者はまた舌打ちをする。無傷で逃げられたようである。
「…あ、あの、」
本当に、話ができないんだと感じて泣きそうになった。僕はもともと話すのが得意じゃないから、勇気を出した二つの音を無視されるのは少し悲しい。
僕が椅子に座らせられると、9割救助!と無線で入って、僕はそれに応えるように同じ言葉をまた送り返す。この時間は、つまらない。どれだけ解読が回っているかといつ救助に来るか、彼(または彼女)が本当に僕を助けてくれるのか。不安ばかりで涙が出てきそうになる。
「ああっもう!また即死じゃない!」
一撃喰らって僕を助けにきたのは空軍の人だった。オレンジ色、ああ、その色、こないだ作った家の屋根にそっくり。僕がへろへろと走っているのを見かねてか信号銃を隠者に撃ち放つと、僕をロッカーに誘導して自分は1人走って逃げてしまった。
心音がとまるのをそこでうんざりとするくらい待った。いっそ、見つけてくれればいいのにと思っても彼はもうこっちには戻ってくる気配がない。僕は仕方なくロッカーから出て、残り一台の暗号機があげられなかった時のための予備を作ってあげることにした。
***

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作者名:ちーうし | 作成日時:2024年1月22日 0時

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