検索窓
今日:3 hit、昨日:3 hit、合計:20,632 hit

其の百 ページ6

翌日、一階の喫茶店、うずまきで珈琲を飲んでいると敦と鏡花が来店してきた。
どうやら仕事の話らしく、軍警から毎月届く手配犯の一覧、護衛契約の得意先等、色んな書類の話をしていた。
俺はそういうの覚えない主義(

ルーシー「いらっしゃいませ」

怒気混じりの低い声で最近入った店員さん、元組合のルーシーが敦の前に仁王立ちする。
可愛いのに勿体ないな、とは思うが口には出せない。若し云えば何されるかわかったもんじゃない。

敦「あの……空いてる席ある?」

ルーシー「いい床が空いてるわ」

「適当に掛けろよ、な?ルーシー」

ルーシー「…ふん」

つっけどん…という感じか。
敦にはかなりキツい態度を取るが俺にはそうでもない…と思う。

「なあ、髪、触りたい」

珈琲を一口飲んで云うと、敦達に飲み物渡して来いとパシられた。云うと必ず交換条件を出してくるルーシー。
それに大人しく従って給仕をする俺も俺なんだが。
もういっそここで働く?…駄目だ、また嵐の告白が来そうだ。

「敦は水でいいのか?鏡花は…温牛乳の砂糖入りな」

敦「うん、ありがとう。…何か、様になってて恰好いいね」

鏡花「…似合う」

「立派に探偵している方が楽だよ。ゆっくり話してな」

ひらりと手を振って二人の元を離れてカウンターに座るルーシーに近寄る。
最近よくこうしてルーシーの髪を触るのが楽しくて此処に入り浸っている。
勿論国木田に怒られる。

ルーシー「ほんと、似合ってるわよ」

「あまりからかうな、慣れてないんだ」

苦笑いしながら、器用に髪を結っていく。
今日は三つ編みをカチューシャ風に編み、左に流して耳の下で結ったサイドテールだ。
結っている間、ルーシーは敦と会話していた。復讐がどうとか、って。

「今日も綺麗に出来た」

ルーシー「あっそ。あ、忘れてたわ」

ちょっと待っててと俺に告げると、ルーシーはカウンターから何か書類を取り出すと敦達がいる席に投げるように置いた。

ルーシー「変な人が来て探偵社に依頼ですって。此処に来るだろうから渡してくれって。彼、客のフリをして無視したのよ」

敦「依頼?」

ルーシー「貴方にじゃないわ」

敦が書類に手を伸ばすが、ルーシーはそれをすっと取り上げる。そしてそのまま鏡花の前へ突き出した。

鏡花「……私?」

鏡花に依頼か…
初出社でいきなり仕事か、頑張れよ鏡花…

其の百一→←其の九十九



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (62 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
158人がお気に入り
設定タグ:文スト , 男主 , Dear
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

冷たい人 - 面白いです!!!めちゃ大好きです! (2023年4月17日 22時) (レス) @page13 id: 26c600857a (このIDを非表示/違反報告)
マッキー - とても面白いです!でもこれで終わりですか?続きが読みたいです! (2018年4月8日 0時) (レス) id: 0d4948deb3 (このIDを非表示/違反報告)
シロナ - 最初から読ませてもらっています!これで終わりですか?続きがきになるので、更新待ってます! (2018年2月4日 22時) (レス) id: d334659998 (このIDを非表示/違反報告)
Dear(プロフ) - 栗さん» 返信遅くなりましたすみません!ありがとうございます!頑張ります! (2017年7月3日 21時) (レス) id: fdc14bf096 (このIDを非表示/違反報告)
- 楽しく読ませてもらってます。これからも更新頑張ってください! (2017年6月23日 3時) (レス) id: 6d58c9b9c0 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:Dear | 作成日時:2017年4月19日 21時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。