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26話 ページ27
【飯田視点】
飯田「兄さん…」
ヒーロー殺しにより、兄はヒーロー活動のできない身体となってしまった。
インゲニウムの名前を受け取るには、今の僕では荷が重い……
飯田(どうしたらいいんだ……)
A「……(ｼﾞｰ」
飯田「…うわぁ!!せ、先生?!いつから後ろに?!」
A「えっと…『兄さん…』くらいから」
飯田(わりと最初からいた！)
A「……」
飯田「えっと…」
き、気まずい…
A「お兄さんの事は聞いたよ。大丈夫…ではなさそうだけど、命に別状がなくてよかった。」
飯田「はい…でも、ヒーロー活動ができるかというと…」
A「これは飯田くん家で決める事だからあれこれ言えないけど…一つ言うなら、私怨で動くのはやめた方がいい。」
飯田「！」
A「目には目を歯には歯を。君達の言うヒーローが何のために敵と戦うのか…」
A「もし報復の為に戦うのなら、それはただの暴力になるだろうから。」
話ならいつでも聞くから、と俺の頭を撫でながら言う。
飯田(あぁ…兄さんとよく似た手だ…)
飯田「先生も、同じ事はありましたか？」
A「まぁ…生きてれば誰でもあるよ。大なり小なりね。」
先生との会話は短いはずなのに、今いる空間はひどく時の進みがゆっくりな気がした。
A「あ、いやその。この一件で飯田君の理想が歪まないか心配で…」
先生は、「教師らしい言葉がみつからないな」と少し焦った。
飯田(先生、僕は上手く割り切れるでしょうか…)
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作者名：つぶみ | 作成日時：2019年11月14日 23時
