寂しさのその先に ページ41
・
深夜。
コンコンと扉を叩くと聞こえる2つの優しい声。
・
千「A？」
至「こんな時間にどうしたの」
・
私は103号室を訪れた。
・
最近、千景さんと至さんは仕事が忙しい。
朝は早く寮を出るし、帰りは定時を大幅に超えて帰ってくる。
それ故にご飯を一緒に食べたり楽しく談笑したりする時間もあまりない。
正直、少し寂しい。
いや、かなり寂しい。
女性が苦手なのにいつも女の子扱いしてくれる千景さんと、うざいけどいつもかまちょしてくる至さんといる時間があまりないのは、心に穴が空いたような感覚だ。
寂しくても、仕事で疲れてるからとその気持ちを抑えていたが、今日は自制が効かない。
夜中だということも忘れ部屋を飛び出した。
・
・
・
��とりあえず入って��
と千景さんに促され、部屋のソファーに体育座りをする。
私が沈んだ顔をしていたからだろうか、いつもより静かだからだろうか、両隣に座った2人は困ったような雰囲気を漂わせている。
��どうしたのかな姫さんは��
と言う千景さんは、私の顔を覗き込んだ。
・
『…仕事忙しいですか？』
千「んー、段々落ち着いてきたかな」
『そうですか…』
至「何かあった？」
・
私のただならぬ様子に、私の腰に手を回して寄り添ってくれる千景さんと、頭を撫でて落ち着かせてくれる至さん。
・
『…寂しかったです』
・
と出た言葉は、弱々しく少し震えてしまった。
・
至「…えー、何それかんわい」
千「参っちゃうなぁ」
『…忙しそうだから迷惑かけたくなくてずっと我慢してたんですけど…、すみません…』
至「迷惑なわけ。
むしろもっと言って」
千「謝る必要ないよ。
我慢しないでいつでもおいで」
・
と小さく腕を広げる千景さんに抱きついた。
私の背中と頭に回してくれている大きな腕と手が、今までの寂しさを一瞬で埋めてくれるようだった。
その心地良さに、私はそのまま目をつぶった。
・
至「…ずるくないっすか」
千「早い者勝ち」
至「つら」
千「…泣くほど耐えてたんだ、相当寂しい思いさせてたんだな」
至「俺としたことがマジ反省」
千「ま、Aが甘えてくれるのは悪くないけどな」
・
と、2人が何度も触れてくれた感覚が残っている。
・
・
リクありがとうございました！
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 493人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
riara(プロフ) - さらさん» 大丈夫です！お話考えておきますね☺︎ (7月2日 11時) (
レス) id: 2b69cc4f02 (このIDを非表示/違反報告)
さら - お返事遅くなってすいません！！お話それぞれが、良いです！！大丈夫ですか！？ (7月2日 0時) (レス) id: f9b4a84be1 (このIDを非表示/違反報告)
riara(プロフ) - さらさん» 初めまして、コメントありがとうございます☺︎リクエスト承りました。それぞれのお話と2人同時のお話、どちらがよろしいですか？☺︎ (6月30日 22時) (レス) id: 2b69cc4f02 (このIDを非表示/違反報告)
さら - はじめまして！！このお話めちゃ大好きです！！凄く気に入ってます！！私もリクエストいいですか！？ガイさんとシトロン書いて欲しいです！！ (6月29日 0時) (レス) id: f9b4a84be1 (このIDを非表示/違反報告)
riara(プロフ) - ユニさん» いつもありがとうございます！気に入って頂けたようで何よりです☺︎ (6月28日 17時) (レス) @page46 id: 2b69cc4f02 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：riara | 作成日時：2022年2月3日 21時
