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「…脚どけろ…」
閉めることができない扉がもどかしそうにピーピーと警告音を響かせる。
二宮は 急に興味をなくしたような顔をして そこを退いた。
静かに扉が閉まっていく。
「……行ってらっしゃい…せいぜい楽しんで…………
翔さん…」
「……！」
コイツ…今なんて言った…？
問いかける隙もなく 目の前の扉がピシャリと閉まる。
オレのことを”翔さん”と呼ぶのは オレの周りでは潤しかいない。
まさか…
いや…有り得る…ヤツも同業なんだ…しかも 会社前で待ち伏せしていた潤の面割れもしている。
二人がどこかで知り合っていたとしても 不思議なことじゃない…
たとえそうだったとしてもヤツの意図がまったく読めないことが 薄気味悪かった。
ただ…ひとつだけ考えられることといったら…もしかしたらヤツは
潤狙い…なんじゃないか…？
そう考えた瞬間 突然オレの中で得体の知れない黒いものが 渦巻くのを感じた。
モヤモヤとした”それ”がオレの中を這いずり回るような感覚。
…オレはこれを知っていた…
遠い昔 智の部屋から聞こえた情事…オレが 初めて智への思いを自覚したあの時も オレはコイツに苦しめられた記憶がある。
エレベーターの壁に寄りかかり項垂れる。
これから 久しぶりに潤と会うというのに…
オレは ポケットに突っ込んで隠していた手の汗を 苦虫を潰したような顔で見つめた。
指定した待ち合わせ場所には 既に潤の姿があった。
公道に植えられた花壇の縁に 少し俯き加減で腰掛けている姿が遠巻きに見える。
明らかに待ち合わせのテンションではない雰囲気が気になったが オレは足早に潤の元へ向かった。
「潤…悪い…待ったか？」
オレの姿が視界に入ると パッと咲いた花のように微笑んだ。
「翔さん お疲れさま オレも 今 来たところ」
「……オマエ…少し 痩せたんじゃないか…？ちゃんと食ってんのか？」
「食べてるよ。薄着になったせいかも…ほら 最近少し暖かくなってきたでしょ」
「…そっか…」
「ねぇ それより どこに連れて行ってくれんの？オレ 嬉しくて昼も抜かして来たんだから」
潤はそう言うと ”しまった”と言った顔でおどけて見せた。
「ホラ…食ってねぇじゃんか…」
「フフ…今日だけ 今日だけだよ翔さん」
甘えるような仕草の潤。
少し会わない間に 雰囲気が変わったように感じるのは気のせいだろうか…
ふと 脳裏にいけ好かない二宮の顔が浮かんだ。
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白石(プロフ) - 続き楽しみにしてます (2021年12月11日 3時) (
レス) id: b0b2bfa225 (このIDを非表示/違反報告)
かとしず(プロフ) - 続きを楽しみに待っています。止めちゃわないでくださると嬉しいですm(_ _)m (2021年4月27日 6時) (レス) id: 3a6d47af4e (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - こんにちは、楽しくて一気に読ませてもらいました(*＾▽＾*)これからも続き楽しみにしてます(^.^) (2021年3月7日 22時) (レス) id: f4ca038df0 (このIDを非表示/違反報告)
Tommy(プロフ) - shiさん» shi様 ”間男”シュン のキャラ設定 『寡黙』の予定だったのですが 何だかベラベラ喋ってますね…ウチの潤は 思ったより流されやすいみたいなので 翔さん 急いでくだされと思い書いてました^^ (2021年2月28日 2時) (レス) id: 4488c557ad (このIDを非表示/違反報告)
shi(プロフ) - こんにちは！！新たな人物も登場してきて楽しかったです！！ここのスナック？行ってみたいです(^^) (2021年2月13日 11時) (レス) id: 4f699932a6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：tommy | 作成日時：2020年10月28日 23時
