68 ページ18
最後って…何が…？
「…そう決心して会いに来たのに 翔さんの顔みたら結局気持ちがグラグラ揺れちゃって…ホント オレって昔から優柔不断っていうか…ぐずぐずなんだよね…」
心臓がドクドクと激しく活動するのに反して 血糖値が足りてないのか 何なのか… 思考回路がうまく働かない。
そのせいか 潤の言わんとしていることが よく理解できなかった。
「…潤…？」
わかっていないといったオレの表情を見て 潤は 小さく微笑むと少しだけ目線を落とし
「…セ○レ…解消してあげる…フフ…翔さん もう自由だよ」
と言う…。
セフ○………？
「…なんでそんな不思議そうな顔してんの…？だってオレたち そういう関係だったでしょ」
あぁ……そうか…
自分の社会的な位置を守るため そういう認識のもとに始まった二人の関係。
確かに最初は頑ななまでにそこを守ろうとしていたオレだったが こうやって潤と過ごすうちに あまり気にならなくなっていた。
そもそも 周りにさえバレなければ 恋人関係とかセ○レとか そういった肩書きはどうでもいい… 大した違いはないと考えていた人間だったから
お互い納得して 体を重ね合わせれば それで成立するもんだと 昨晩 潤にあんな風に抱かれるまで 本気でそう思っていた。
「元はと言えば オレがストーカー紛いなことして 無理やり関係迫ったみたいなもんだったし………
でもさ…このまま続けてても 何も発展しないかなぁって思っちゃったんだよね…」
「…発展しないって……オレじゃ物足りなくなったとか…そういうこと…？」
その言葉に 潤は 少し考えるような素振りをする。
「……そういうことなのかな…最初は それでも 翔さんの傍にいれるだけでいいってホントに思ってたんだよ……でも…ほら……オレ 欲張りだからさ…心も体も自分のものにしたいって…そう思っちゃったんだ…
だから それできない関係なら…物足りないのかも…」
潤は どちらかというと寂しがり屋で そして情にもろい。
きちんと愛し愛される関係を築きたいと思ったとしても不思議ではない。
「これから先も オレとは そういう関係になれないって 思ってんのか？」
自嘲気味に そう言うと 潤は小さく首を縦に振った。
少しは”そんなことない”と否定してくれるんじゃないかと期待していた自分がいたのだが…ここまでストレートに肯定されるとさすがにこたえる。
だが 潤にそう思わせてしまったのは このオレだ 何も言う資格などないのかもしれない。
それはわかってる…わかってるけど……
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 219人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
白石(プロフ) - 続き楽しみにしてます (2021年12月11日 3時) (
レス) id: b0b2bfa225 (このIDを非表示/違反報告)
かとしず(プロフ) - 続きを楽しみに待っています。止めちゃわないでくださると嬉しいですm(_ _)m (2021年4月27日 6時) (レス) id: 3a6d47af4e (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - こんにちは、楽しくて一気に読ませてもらいました(*＾▽＾*)これからも続き楽しみにしてます(^.^) (2021年3月7日 22時) (レス) id: f4ca038df0 (このIDを非表示/違反報告)
Tommy(プロフ) - shiさん» shi様 ”間男”シュン のキャラ設定 『寡黙』の予定だったのですが 何だかベラベラ喋ってますね…ウチの潤は 思ったより流されやすいみたいなので 翔さん 急いでくだされと思い書いてました^^ (2021年2月28日 2時) (レス) id: 4488c557ad (このIDを非表示/違反報告)
shi(プロフ) - こんにちは！！新たな人物も登場してきて楽しかったです！！ここのスナック？行ってみたいです(^^) (2021年2月13日 11時) (レス) id: 4f699932a6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：tommy | 作成日時：2020年10月28日 23時
