君の為にここに来た (ページ32)

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JIN ページ32

鎌田の記憶がなくても私はめげずに鎌田に会いに行った

病院に行く度、ジンオッパが送り迎えをしてくれた。

音楽をかけて言ったり、面白話をしたり…………太陽のように笑うなジンオッパに私は自然と惹かれた

少し火照った顔を通常モードにし、病室に入る

病室で眠っているソヨンさんは一向に目を覚ます気配はなく病室には寂しさが増すばかりだった

鎌田「……今日も来たんだ」

澱んだ声で鎌田が言った。

目が…………死にかけていた。

『うん、ソヨンさんが目を覚ますまで……私はお前を見守らなきゃ行けない』

ソヨンさんを眺めながらいうと鎌田は一瞬だけ苦しそうな顔をしたような気がした。

その時鎌田が聞いた

鎌田「ねぇ………………私の親ってどういう人だったの?………………親の事が思い出せない……」

頭を抱えていた……話していいのだろうか……?

どうしようかと迷っているといつの間にか空いたドア。

ポン……と肩に手を置かれ手の主を見ると

JN「…………」

ジンオッパが居た。

鎌田は気づいていないらしく、私は頭を振って鎌田に話し始めた

『鎌田の家は普通の家だった。普通の家は貯金も普通、家庭的にも普通だった……でも鎌田の両親どっちとも会社を辞めさせられて、貯金を切り崩して暮らしていたんだ。だけれど家の貯金が底をついた時………………鎌田の両親は………

………自殺した。

鎌田が中学生の時の事。それから鎌田は祖父母の方に引き取られた………………それはわかるだろ?』

淡々と語ってしまったが…………大丈夫かな?

少し不安を持ちながら鎌田を見ると鎌田は目から無数の涙を流し

鎌田「あぁ……聞かなきゃ良かった…………聞きたくなかった……」

そう言った。

『………………それを打ち明けてくれたのが高校1年の二学期だったんだよ…………鎌田。

この思い出は…………1人では抱えたくない』

私も泣きそうになりながら鎌田に言った

鎌田「………………ごめんね。……でも今は1人にして」

そう言われてしまった私は溢れそうな涙を流すまいと下唇をぐっとし

『ん』

と言って病室をでた

ずっと横で黙っていたジンオッパはスうっと口を開いた

JN「おいで」

と。

私は遠慮なく腕を広げるジンオッパの胸に飛び込んだ

そしてとめどなく溢れる涙を流した