忘却人生八日目 ページ9
何なんだ、こいつは。
「お前がお前の性を忘れても本質は変わりゃしねェ」
黙れ、黙れ、黙れ、黙れ、黙れ、黙れ、黙れ。
「お前は化物だ。」
全体重をかけて踏み潰した。
這いつくばって無抵抗の人間を踏み潰した。
頭を砕いた。
今度こそ、淡い月光に照らされた私一人。
「お前は、今幸せか」
うるせェ、黙れ、黙れ、黙れ。
死んだあいつの頭をまた踏みつける。
ドロっとした液体が足にかかる。
船に戻らなきゃ。
シャワー浴びなきゃ。
浴室に行こうとしたら呼び止められた。
「A？」
貴『起こしてしまいましたか？リンさん』
リ「その血は何だ!」
貴『ちょっと、襲撃があったので。』
リ「いつからだ」
貴『ん？』
リ「いつからだっつってんだろ!!」
何でそんなに怒っているのですか。
貴『私が麦わらの一味に入った頃からですかね？』
目を見開いて唖然とした顔しているリンさん。
貴『最近は週に3回から4回程度ですが。』
ガバッと抱きしめられた。
貴『血が付いちゃいますよ。』
リ「何で、お前は!!」
俺はお前に幸せになって欲しいんだよ。
お前は十分に頑張ったじゃねェか。
何でお前ばっかりこんな辛い目に合わなきゃいけねェんだ。
こんな血生臭い世界から遠のいて普通の女みたいに所帯もって幸せになって欲しいんだ。
リ「俺と逃げようか。あいつらのいないとこに。」
貴『あはは、リンさん何言ってるんです？海軍が海賊狙うのは当然でしょ。』
お前の血筋を記憶から消しても駄目なのか。
あいつらを消せばお前は自由になれるのか。
頼むから無理して笑うなよ。
何が平和だ、笑わせるなよ。
水面下でこんなこと合ってるなんて思いもしなかった。
リ「お前は、今幸せか」
何でリンさんまでそんなこと言うんですか。
貴『幸せですよ。』
浴室に行かなきゃ、血が乾く前に。
リンさんを残して脱衣所へ。
服を脱いでシャワーを浴びる。
赤い血が水に混ざって淡い紅色になって排水口に流れこむ。
鏡に飛び散った液体を流そうと近づいた。
その中には不安と絶望と恐怖に混ざった仏頂面な私の顔。
その中の私が笑った気がした。
あいつみたいにニュッと口角をつりあげて
「お前は、今幸せか」
黙れっつってんのが解らねェのか。
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慈雲 - とってもおもしろいので更新まってます！！！！ (2017年2月26日 10時) (
レス) id: 8862788d75 (このIDを非表示/違反報告)
りぃあ(プロフ) - 続きみたいです (2016年1月6日 2時) (レス) id: fa3bb67345 (このIDを非表示/違反報告)
ルーシー - ゾロおおおおおおお！！Σ（ﾟдﾟlll）一体どうしたんだぁぁぁ！！パート1から見ていますが面白い作品ですね(・ω・)ノ続きを楽しみにしてます（＾∇＾） (2015年11月23日 11時) (レス) id: 49417841b7 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうき(プロフ) - パート１から見てます！めっちゃおもしろいですね！次の話楽しみです (2015年11月19日 14時) (レス) id: ab736af6e6 (このIDを非表示/違反報告)
美亜(プロフ) - 京月さん» 初めましてです(○´艸`)更新頑張ります(´▽`*) (2015年4月30日 17時) (レス) id: 7c0b4e68f0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：美亜 | 作成日時：2015年1月17日 20時
