No.33 ページ34
「Aの事が、大切だから」
期待していた私を裏切るように
「間違っても俺のこと好きになんなよ」
ふざけた笑顔で
「俺、お前に限らず誰のことも幸せにできねーし」
そう言った。
私にその言葉を笑い飛ばせるくらいの余裕をください。
「ハニのことなんて選ばないし」って冗談を言えるくらいの強さを。
人の気も知らないで、私の頭をぐしゃぐしゃに撫でた。
「また明日な」なんで君が切なそうなの。
告白なんてしてないのに振られた気分。
首に巻きつけていたハニがくれたマフラーを私はスルリと外した。
落ちていく、私の気持ちと同じようにマフラーもシュンとしなって地面に手をつける。
ポツリポツリと歩いて、やっと家の区域内にある公園に入った。
ここまで、とても長い道のりのような気がした。
「あれ、A？」
名前を呼ばれて顔を上げると、公園のベンチのそばで捨て猫に餌をあげている男の人。
それはジュン君だった。
「ジュン君どうしてここに」
「撮影が終わって帰ってきたんだけど、帰り道に猫がいたから」
猫が私の存在に気がついて、早いスピードで逃げて行く。
君も私の気持ちを置いて遠ざかってしまうんだねって猫の跡を気力のない目で見つめた。
ジュン君の視線に気がついて慌てて話題を作る。
「この後学校行くの？宿題とか取りに…」
「んー明日行こうかな。」
ベンチに座った彼は「A寂しそうだし」って隣の空間をポンポン叩く。
「え、寂しそうかな？」わざととぼけて叩かれた空間に腰を下ろす。
「うん。すごく」
一度、音が全てなくなったような世界に引き込まれた。
何も知られたくない。
恥ずかしいから聞かないで欲しい。
「気のせいだよ…」小さくなる声。
「だといいね」
君は何も聞かなかった。
その代わりに、ふわりとジュン君の香りがするマフラーを私に巻いた彼は
「俺以外の男のせいならなおさら」
私を動揺させるの。
「えっ、」
「マフラー。こっちの方がいいよ」
真顔で言ったくせに「そのマフラーつけて欲しくないだけだけど」って手に持っていたマフラーを見て可愛く笑う。
胸がぐっと圧迫される。
焦るような、どう彼の顔を見たらいいのか分からなくなるような。
どうして君は私をこんなに動揺させるのだろうか。
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きゅうり(プロフ) - sanaさん» ありがとうございますっ！期待に応えられるよう頑張ります！ (2018年10月13日 22時) (
レス) id: 768ca4a300 (このIDを非表示/違反報告)
sana - すごく面白いです！更新楽しみにしてます☆頑張って下さい！(^^) (2018年10月13日 2時) (レス) id: 0e2a547839 (このIDを非表示/違反報告)
りお(プロフ) - まるさん» すみません。外すのを忘れてしまいました。ご指摘ありがとうございます。ちゃんと外れたでしょうか (2018年9月22日 19時) (レス) id: 768ca4a300 (このIDを非表示/違反報告)
まる - 作品を作る前にルールをご確認下さい。そしてオリジナルフラグをちゃんと外して下さい (2018年9月22日 12時) (レス) id: 54fc495649 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きゅうり | 作成日時：2018年9月2日 2時
