ブラック本丸の刀剣男士は癒されたい

十振:図太い審神者 ページ10

「…様........じ様！」


うんん、うるさい。

ぐっすり眠っていたのに、その起こし方のおかげで寝起きの気分は最悪だよ。


『…ん、ああこんのすけか』

こん「こんのすけか、じゃありません！起きてください！」


なぜそんなに焦ってるの？

よくわかんないんだけど........。

そんなことより、畳の上で雑魚寝をしたせいか、体の節々が痛いよ。


そんなことを考えながら、隣でキャンキャン喚くこんのすけをチラリと見る。


『朝からうるさいよ、こんのすけ。どうしてそんなに焦ってんの？』

こん「どうしてもこうしてもございません！なぜ手を手当てせずに眠ってしまわれたのですか！？」

『て........手？？』

こん「…まさか主様、手のひらを刺し貫かれたの忘れたんですか？」

『あ〜』


今思い出した。

傷口から血と一緒に霊力でちゃって疲れて寝たんだったわ。


そういえば、そんなことあったな、と今更ながら思い出す。

なんだろう、傷のことを思い出した瞬間今まで感じていなかった痛みが手のひらを襲う。


熱い…痛い…熱い........。


とにかく、いつまでも寝転がったままでは埒が明かないので起き上がる。

起き上がってみてみると、畳の上は惨状だった。


私の手が置いてあったところを中心に、血溜まりができていて、畳にしっかりと染み込んでいる。


なんとなくだけど、こんのすけが焦って私を叩き起した意味がわかった…気がする。


よく見てみると、寝転がっていたところにまで血溜まりができていたようで、来ていた服も真っ赤だった。

うわあ、これ例え汚れ落ちても、もう着たくないな。


『こんのすけ、離ってお風呂ある？』

こん「ございます！」

『入れてきてもらえる？』

こん「分かりました！」


そう言ったこんのすけは、ポヒュンと音を立てていなくなる。

あ、そういえばこんのすけ、私のこと主様って言ってた？

じゃあ、心を許してくれたのかな？


そんなことを考えているうちに準備が出来ていたようで、こんのすけが戻ってくる。


『おかえり、こんのすけ。さっきから私のこと主様って呼んでるの気になってたんだけど、なんで？』

こん「僕、またすぐに死んでしまうと思っていたんですが、時間が経って戻ってみても、生きておられたので。主様って僕が思っていた以上に図太いんだなって少し安心致しました」


うん........うん？

今、すごくバカにされたような？


........まあ、いっか。






そうして私たちは一緒にお風呂に入った。

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