ブラック本丸の刀剣男士は癒されたい

四十一振:優しい匂い ページ41

小狐丸side



ふと目が覚めた。


＿＿＿＿＿あ。


ガバッと布団から身体を起こす。

しかし、体はどこも痛まない。


＿＿＿＿夢ではなかったか


そのことに安堵のため息が出る。



もう四日目だと言うのに、まだ慣れない。



隣を見れば、三日月殿が眠っている。

よほど快眠なのか、私の視線に気づきもしない。


こんなによく眠っている三日月殿は珍しい。

いつも気を張っていたようで、以前は誰よりも早起きだった。

そうでなくとも、誰かの視線や物音一つで目を覚ましていた。









・







＿＿＿＿＿＿＿昨晩のことを思い出す。


誰にも涙など見せなかった三日月殿が、まだ会って間もないとても幼い女子一人に涙を見せた。




＿＿＿＿ぬしさまは、やはりすごいお方だ。


三日月殿の気の抜けた寝顔など、お目にかかることは無いと思っていたのに。


......................もう少し、眺めていようか。









・









＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿！


三日月殿を眺めること数分。

どこからか、何やら良い匂いがした。

四十二振:いい匂い→←四十振:締め切り

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す