三十七振:三日月宗近�� ページ37
審神者side
三日月「初めこそ少し困惑はあったが、今はもう大丈夫だ」
三日月は嘘をついた。
いつも通りの笑顔だけど、目がまだ怖いって言ってる。
きっと私を傷つけないために、嘘をついてくれた。
でも、そういうのは嫌だった。
『三日月、私のことはいいからさ、嘘なんてつかないで』
私が言うと、三日月は驚いた顔をした。
そして、ふわっと優しく笑って
三日月「何でも、お見通しなのだな」
といった。
今までにないくらい優しく笑っていた。
そしてその顔をまた少し引き締めて続ける。
三日月「すまんな。まだ…少し怖いのだ」
『ううん、いいんだよ。…あっ、そうだ！』
三日月「どうかしたか？」
『いいこと思いついたの！』
そう言ってにこっと笑うと、三日月は目をパチクリさせる。
『三日月、何か私にして欲しいことある？私にできることなら何でもするよ！』
三日月は何を望むんだろう。
三日月「…いいのか？........本当になんでも」
再度確認してくる三日月に、もちろんと言うと嬉しそうに笑ってくれる。
三日月「…では、頼もうか。…主や、俺の頭を撫でてはくれまいか。…嫌なら良いのだが…」
そう控えめに言った三日月は、こちらを伺うように見つめながら、顔をほんのり赤くしていた。
ふふっ、可愛い
『もっちろん！』
そう言って頭を撫で始めると、嬉しそうに目を細めた。
きっと、ずっと辛かったんだ。
新しい主となる人間は、悪い人間で、皆を守らなければいけないと…。
でも、刀剣たちに感謝されても、やっぱりどこか寂しかった。
私も感じたことがあるから。
どんなに怖い人でも、お母さんに褒めてもらえるのが嬉しかった。
＿＿＿一緒なんだ。
主にも褒めてもらいたい。
そう思うのは刀の性なんだと思う。
そして今は、私が主なんだ。
確かに頼られるのは嬉しいことかもしれない。
でも、やっぱり誰だって、誰かに褒めてもらいたいんだ。
『今までよく頑張ったね、三日月。あなたは偉いよ。私が沢山褒めてあげる。偉い偉い』
そう言いながら頭を撫でると、三日月の目からは涙が零れた。
嗚咽するわけじゃない、ただ静かに涙を流していた。
そっと優しく抱きしめて、頭を撫で続ける。
そうすると、強い力で腰を引き寄せられて、私は三日月に対面式で座るようになって頭を撫でた。
三日月「ありがとう、主」
最後にそう言ってぱっと離れた三日月は、
いつもより少しだけ優しく、強く見えた。
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陽香(プロフ) - 時雨さん» わざわざありがとうございます！すぐに修正させていただきます (2020年6月1日 18時) (
レス) id: a10faff46c (このIDを非表示/違反報告)
時雨 - 誤字がありましたので伝えておきます(*^^*)弐拾話の6行目が「髪に近い妖怪」とあったのですが髪ではなく神だと思います(*^_^*) (2020年6月1日 8時) (レス) id: a4f27d0bac (このIDを非表示/違反報告)
陽香(プロフ) - 八重乃 真鈴さん» 分かりました！コメントと応援ありがとうございます！候補に入れておきます！ (2020年5月3日 8時) (レス) id: a10faff46c (このIDを非表示/違反報告)
八重乃 真鈴(プロフ) - 初コメ失礼します！日が空いてもう書いちゃってるかもしれませんが、私は、加州が大好きなので、近いうちに登場させて欲しいです！これからも応援してます！ (2020年5月3日 2時) (レス) id: 9f5e33e110 (このIDを非表示/違反報告)
陽香(プロフ) - tibitomiさん» わかりました！候補に入れておきますね！ (2020年4月29日 22時) (レス) id: a10faff46c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：陽香 | 作成日時：2020年3月13日 0時
