憧れのお前に会えて…２【BANANAFISH】【男主】 (ページ10)

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56話ページ10

A side

ｶﾞﾀｯ…

俺が顔を洗っていると後ろから物音がした。

「A…」

そうだ。忘れてた。

今日じゃんアッシュが悪夢で目が覚めて英ちゃんに慰めてもらうの…

ってことは俺ここにいない方がいい？

ズキズキと胸が痛む。

『水道使いたいんだよね？どうぞ。俺先に部屋戻っとくね。』

「待ってくれ。

Aはいなくなったりしないよな…」

俺の手首を掴み顔を歪め俺に聞いてくる。

『ごめん。アッシュ俺はお前と一緒にいてやれない。言ってるだろ？

俺は死ぬんだ。』

お前には英ちゃんがいる。

それに気づいて英ちゃんの方に傾いてくれ。

2人には申し訳ないけど俺の事を忘れて欲しい。

俺なんかで悲しまないで欲しい。

『おやすみ。アッシュ。』

俺はその場を離れると部屋には戻らず大きな窓が付いている部屋に向かった。

蝋燭で灯りをともし

窓枠に腰をかける。

母さん生きてるかな…

ごめんね母さん。俺は母さんとの約束守れないや。

死ぬのが怖い。

死にたくない。

ふわっ。

誰かに毛布をかけられる。

「さすがにその薄着じゃあ冷えるだろ。」

『ショーター…

ありがと。』

反対側の窓枠にショーターが腰をかけた。

『ねぇ。ショーター？死ぬ時ってどんな感じなのかな…』

「さぁな。俺にはわからねぇよ。

なぁA…治療は今からでも間に合わねぇのか…」

『ん～。わかんない。

あっ。俺が死んだらさ俺の携帯から響って人に電話かけて死体を受け取ってもらって。』

「きょうって誰だ？」

『俺のもう1人の兄さん…』

「…そうか。」

『ねぇ。ショーター？』

「なんだ？」

『おれっ…』

目から涙が溢れる。

『おっ…れ､死ぬのが怖い。

こわいよぉっ…』

そういうとショーターはキツく俺を抱きしめてくれた。

「やっとっ…言ってくれたな…」

『しにっ…たくないっ!!うぅっ…』

ショーターは優しく優しく頭を撫でてくれた。

『みんなっ…とっ､まだいっしょっ…にいたいっ…

おれのそばにっ…いてっ…くれっ…うぅっ。』

「あぁ。そばにいてやるさ。お前がウザイって思うくらいにな…」

俺は泣き疲れて寝てしまった。

ﾁｭﾝｯﾁｭﾝｯ

『んっ…ふわぁ～』

「おはよ。A。」

『はよ。ショーター。』

今日はアッシュがゴルディネから盗んだお金でマンションを買ったんだよな…

そんでもってオーサーが動き出す。