憧れのお前に会えて…２【BANANAFISH】【男主】 (ページ34)

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80話ページ34

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なんで今思い出すんだ!!

医者を呼ばないとやばいんだっけ

ブランカがアッシュに触ろうとしたので俺は思わず叫んでしまった。

『触んじゃねぇっ!!

早く!医者を呼んでくださいっ!!』

お願いだから無理をしないでくれよっ…

医者が来てアッシュをベッドに寝かす。

俺は右手をアッシュが起きるまでずっと握っていた。

「そろそろ離れろ。」

ブランカにそう言われる。

ゴルティネの野郎がアッシュに触ろうとする。

俺はその手をはらった｡

『アッシュの変化に微塵も気づけなかった奴が触んじゃねぇ｡』

俺が睨みつけるとブランカが口を開く。

「君がここにいて何ができる。」

『じゃあ逆に聞かせてもらう。お前らがここにいて何が出来る。たかが医者を呼ぶくらいだろ？

俺の頭には今まで見てきたものなら何でも入ってる。

とにかく部屋を出てくれないか…

アッシュと2人っきりにさせてくれ。』

そうお願いするとブランカたちは外に出てくれた。

『起きてんだろアッシュ…』

アッシュが目を開ける。

『お願いだから死に急ぐような真似はやめてくれ。俺だっている。辛いならお前の男娼の仕事だって引き受けてやるからだから…

もう俺の前からいなくならないでくれ…』

俺はどれだけ大切なものを失えばいい？

兄さんも英ちゃんもみんなだって…

『アッシュが死んじゃったら俺生きてけないよっ…』

泣きそうになる。

『おれっ…そろそろお客さん来る時間だから行くわ。』

もう泣き顔なんか見られたくなくて俺は扉に急いで向かう。

お客が来る時間にはまだ早いけど俺は自分の部屋で待機していた。

数日後…

俺は初めてゴルティネの野郎の相手をした。

行為をした後…

「20日にお前はアッシュと外に出てもらう。」

『アッシュは大丈夫なのか…』

「点滴は打っている。」

そう言って野郎は出ていった。

俺も服装を整えて部屋に戻る。

アッシュがいない部屋は静かで冷たくて怖い｡

ストレスや精神的なダメージで食が喉を通らなくなってきた。

食べたとしてもすぐ戻してしまう。

自分の部屋のドアノブに手をかけた瞬間心臓がギュッと締め付けられる痛みが走る。

それと同時に込み上げてくる液体…

『ｺﾞﾎｯ!!ｺﾞﾎｯ!!』

口を押さえる手と指の隙間からこぼれる吐血｡

俺はブランカの焦った顔の記憶を最後に気を失った。