憧れのお前に会えて…２【BANANAFISH】【男主】 (ページ30)

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76話ページ30

英二 side

「ユエルンに会わせてほしい？なんでまた…」

『一昨日出て行ったきりアッシュとAが行方不明なんだ…

どこへ言ったか分からないんだ!!』

「それにユエルンが絡んでるって…」

『多分…』

「ちょっと出てくるあんたらはゆっくりしてな！」

そう言ってシンは僕を連れて外へ出た。

「どこ行くんだ！！」

『ごめん皆！大丈夫だから。』

向かった先は…

「やぁシン｡珍しい客人を連れてきたな｡」

ユエルンのところだった。

『アッシュとAがいなくなったんだ。君はどこへ行ったか知ってるんじゃないか？』

「へぇ。少しは脳みそがあるみたいじゃないか」

僕を小馬鹿にしたように喋る。

『2人に何をしたんだ！！？』

「そんなに知りたきゃ教えてやるよ。

彼らは君のために何もかも失ったんだ。

君の命を助けるために僕らと取り引きしたのさ。

あと2ヶ月もすれば国家を絡んだスキャンダルがスクープされるはずだ。その全ての情報を彼は引き離したんだ。

しかもそれだけじゃあない。なぜ彼らが君のもとへ帰ってこないと思う？彼らはゴルティネの手に堕ちた｡

お前のせいで地獄に落ちた!!全部お前のせいだ！！

それでもお前はどうせ何もしやしないんだろ？それとも責任感じて自殺でもする？手伝ってやるよ。そら。」

そう言ってユエルンは窓を開けた。

こんな時Aだったらどうする？

アッシュだったら…

いや。もうマネをしようとするのはやめよう｡

僕は僕なりのやり方で…

『何も言われてもいいさ。でももう。僕は自分のせいだと思うのはやめた。僕が彼らを大切に思うように彼らもそう思ってくれていた。

そういうことなんだ。』

僕はユエルンを真っ直ぐ見た。

『僕は必ず2人を助ける。その為には人を殺しても構わない。

勝手に言ってろ馬鹿っ!!』

そう言って僕はユエルンの部屋を出た。

アッシュ side

「結論を言うなら種をまくなら断じてタリアだ!!あの国が不安定になればなるほど過激派テロ組織の勢力が増しテロの温床になる｡放置すれば再びナインイレブンのようなことが起こりかねない！そんなことが現実となる前に行動を起こすのだ!!」

『フッ…』

「なにがおかしい…」

『将軍仰ることはもっともです。ですが我々はこのプロジェクトに多大な投資をしています。回収の見込みのない提案に乗るわけにはいきません。』