憧れのお前に会えて…２【BANANAFISH】【男主】 (ページ28)

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74話ページ28

A side

『まぁ。捨てられたから｡』

「そうなのかい。じゃあ私はそろそろ行くよ。」

『待ってよ。』

「まだ何か？」

口を開きかけた時込み上げてきた何かが口からこぼれた。

ﾋﾞｼｬ…ﾋﾞｼｬﾋﾞｼｬ!!

「そんなダメージは与えてないはずだぞ？」

『あぁ。俺そろそろ死ぬから。持ってあと数ヶ月｡

なぁおっさん。アッシュと英ちゃんに手を出さないでくれよ。俺の大事な人達なんだ。』

「私は私の仕事をまっとうするだけだ。」

『アッシュの幸せを願ってるなら英ちゃんと一緒にいさせてやってくれよ。』

「君はアッシュのことが好きなんだね。」

『あぁ。大好きだよ。けど俺じゃあアッシュのことを幸せにできない。そばにいれない。』

「君の名前は？」

『橘…橘A｡』

「アッシュとAの幸運を祈るよ。」

そう言ってブランカは出ていった。

その記憶を最後に俺は意識を失った。

アッシュ side

目を覚ますとそこはまだあの薄暗い倉庫の中で､すぐ隣にはAが倒れていた。

多分ブランカと殺りあったんだろう。

俺はAをおんぶした。

日に日に軽くなっていく体重…

「あっ…しゅ…」

多分寝言だろう。

「ご…めっ…」

声色でわかった。

泣いている。

『お前はなんも悪くねぇから。』

俺はそのままAを抱え英二がいるところえ帰った。

『あいつに怪我させちまって悪かったな…

もう英二が危険な目にあうことはねぇよ。』

「そりゃぁどう言う…」

『アレックスに俺とAは当分帰れなくなる､後のことはお前に任せる。』

「一体何をするつもりなんだ。」

『伊部さん。何もかも蹴りが着いたら俺を日本へ連れてってくれるかい？』

「えっ？」

『あいつらの生まれた国へ｡見てみたいんだ。じゃあな。』

俺は英二が寝てる部屋に向かう。

扉を開けようとすると自動で開いた。

扉を開けた先にはAがたっていて俺がいると思わなかったのかびっくりして尻もちをついた。

『大丈夫か？』

「びっくりしたぁ…もう出る？」

『あぁ。』

「じゃあちょっと待ってくんない？」

そう言うとAは部屋の中に戻り英二のそばによった。

「英二ごめん。必ず戻ってくるから…それまで待っててな。」

そう言って額にキスをした。

英二がAのことを好いていることは気づいていたがAもとはな｡

俺に勝ち目は無さそうだな｡