憧れのお前に会えて…２【BANANAFISH】【男主】 (ページ20)

今日:3 hit、昨日:3 hit、合計:15,946 hit

66話ページ20

A side

『噛まれた…』

「誰に。」

『犬…』

馬鹿だよなぁ…俺。

『いででででで！！あっふ！！いらい！！』

嘘をついているとわかったアッシュは俺の頬を思いっきし引っ張った。

「お前が嘘つくのが悪い。」

『言ったってなかったことになるわけじゃないだろ。』

「っ！！」

『大丈夫だって。俺はそんなに脆くない。』

「つい先日まで血吐いてたやつのなにを信じろって？

また俺に仲間を亡くせと！！？」

『そんなことを言ってるんじゃない！！どーせ俺は死ぬんだ!!こんな安い命アッシュの身代わりにだってなってやる!!』

ﾊﾟｼﾝｯ!!

アッシュが俺の頬を叩いた。

「お願いだ…俺の前でその話はしないでくれ…」

噛まれた方と反対の肩に頭を乗せてそう呟くアッシュ。

どうして？どうしてそこまで俺を大切にする?

『わかったよ。ごめん…俺が悪かった。

英ちゃんが心配だ。やっぱりついて行こう。』

俺たちは英ちゃんを追いかけた。

『英ちゃーん！！やっぱり俺たちもついて行くよ！』

数日後俺たちはドーナツを買いに来ていた。

『あ。英ちゃん！あそこにアッシュいるよ？』

「声掛けに行こう！」

でもなんか様子がおかしい…

「おーいアッシュー！！」

「なんだよお前!!1人で出歩くなって言ったろ!!?」

『1人じゃないぜ？俺もいる。』

「それに3時に約束したじゃないか。」

「あぁ。そうだったか…」

やけに汗をかいている。

『どうしたんだ？アッシュ。気分が悪いのか？』

「なんでもない行こう。怒鳴って悪かったな。」

そう言うとアッシュは俺と英ちゃんの肩を持って歩き始めた。

俺が何も言わないって言うけどさ…

『お前も大概だと思うぜ…(ﾎﾞｿｯ)』

俺はアッシュに分からないよう日本語でそう言った。

それからまた数日後

俺はベッドの中にいた。

2日前に倒れた。

急激に体が弱ってきている。

アッシュが高校生の服の姿で部屋に入ってきた。

「調子はどうだ？」

『すこぶるいいね！！』

「嘘をつけ。顔色が悪いぞ。」

『お前の色覚に問題があるんじゃないか!!?』

ダメだ。

今日の俺性格悪い。

「そんなピリピリしてんなって。なにをそんなに怒ってる？」

『分からないのか？』

「あぁ。分からないとも。」

『じゃあはっきり言ってやるよ!!

お前がまた自分の体を売って情報を得ようとしていることに心底腹が立つ!!』

.