憧れのお前に会えて…２【BANANAFISH】【男主】 (ページ14)

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60話ページ14

A side

「君を犯せばアッシュを犯した気分になれるのかな？」

『は？』

気づいた時には俺の首元に顔を持っていったユーシス。

ﾁﾘｯと痛みが走る。

『いたっ！！

何すんだよ!!』

「言っただろ？犯せばって…」

鎖骨をｶﾞﾘｯと噛まれる。

『い"ぃっ！！』

俺は痛みに耐えられずユーシスを蹴り飛ばした。

噛まれたところを触ると少しえぐれていて血が溢れ出していた。

『っ！！なにすんだよっ!!』

「別に。」

心臓の動きが速い。

おかしい…

『はぁっ…はぁっ…』

ちょっと

やばいかもっ…

瞬間込み上げてくるなにか…

『ゴホッ!!ゴホッ!!』

ポタポタと塞いだ手の間から血がたれる。

「はっ？」

『くそっ…なんでっ…今なんだよ…今じゃないだろっ！！』

俺はポケットに入れていた響兄さんに貰った薬を適量とって口に放り込み薬を飲み込んだ。

「おまえ…」

『はぁ。敵にこんなこと知られたくなかったけどまぁみての通り俺は死ぬよ。だからアッシュのそばにいるんだ。

俺の命なんてどうでもいい。アッシュが生きてくれているだけでいいんだ。』

その後ユーシスは黙って部屋を出ていってしまった。

何日たったか分からない。

テレビをつけると

「今朝未明移送先の国立精神衛生センターで死亡が確認されました。」

やっとだ。

『やっと動ける。』

この日のために体力を温存していたのだから。

どうやってたっけ…

窓ガラスを割ってユーシスをおびき寄せたんだっけ？

じゃあ割りますか!!

ｶﾞｯｼｬｧｧﾝｯ!!

窓ガラスの破片を持ってユーシスが来るのを待った。

ガチャ。

ユーシスが入ってくるのを見計らって俺はユーシスの首に窓ガラスの破片を突きつけた。

「血が出てるよ。

君に傷をつけたなんてアッシュに知られたら僕は…」

『黙れよ。』

さっきより強く突きつけた。

「ユエルン様！！」

ほかの人たちが入ってきた。

『それ以上騒ぐと殺すぞ。

銃を床に置いて部屋から出ろ。』

入ってきた奴らは躊躇うが

「従え。」

ユーシスがそう言った。

外に出てエレベーターを押す。

待ち時間ユーシスが部下に中国語でなんか言った。

これなんて言ってたんだっけ…

俺に考えがあるとかだっけ？

まぁいいや。

エレベーターが開く。

「！！」

シンが乗ってた。

忘れてたぁぁぁ!!

俺に立ち向かおうとしたシンだがユーシスが首を振る。

車に乗って外へ出た。