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2人が帰ろうとドアに手を伸ばすと、勝手にドアが開いた。
ドアの向こうに立っていたのは、小柄な婦人だった。
そして、その婦人は末澤の母親だ。
古謝「あ、おばさんこんばんは。」
末澤母「なんであなたがここにいるの?」
古謝「なんでって、末澤のお見舞いですけど…」
末澤母「古謝くんに聞いてるんじゃないの。後ろに聞いてるのよ。」
後ろというのは、もちろんAのことだ。
さっきまであんなに喋っていたのが嘘みたいに、今は静かなAの方を見ると、下を向いていた。
古謝「A…?」
末澤母「誠也のこと、こんな風にした貴方がどうしてここにいるの?」
山崎「す、すいません…」
古謝「おばさん、そこまで言わなくても…
末澤母「出て行って。そしてもう二度とここには来ないで。」
その目は冷たく、古謝の知っている末澤の母の目では無かった。
末澤母「早く出て行って!」
山崎「すいませんっ…」
古謝「失礼しますっ。」
病室を出た2人は、無言で廊下を歩いていた。
山崎「おばさん、怒ってたね。」
古謝「そやなぁ。」
山崎「私、明日から末澤のところ行くのやめる。」
古謝「なんで?」
山崎「聞いたやろ?もう二度とここには来ないでって言うとったの。」
古謝「やからって、本気にせんでも。」
山崎「やっぱり私はあの家族にとって迷惑な人でしかないんやって。」
古謝「そんなことないって!」
山崎「あるんやってば!あの日私が居なければ…」
古謝「あれはお前のせいなんかじゃない!」
山崎「古謝はあの場所におらんかったんやから、真実なんてわからんやん!」
Aは、そのまま走り出してどこかに言ってしまった。
古謝「おらんかったって言われると、何も言えへんやん…」
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作者名:だーちゃん。 | 作成日時:2017年9月10日 0時