ワケアリシェアハウス (ページ47)

今日:13 hit、昨日:1 hit、合計:78,947 hit

･ページ47

松本side

櫻井「空が怖いって思ったことあるか？」

「…え？」

翔さんは天井を見つめてそう言った
突然の奇妙な質問に困惑したが冷静に答えを探す

「んー…小さい頃なら思ったことあるよ。雷とか雨とかが怖かったかな……」

翔さんの顔色をうかがう

櫻井「そうだよね」

翔さんは俺を見てそう言った

「なに？なんでそんなこと聞くの？」

櫻井「んー？なんでだろうね。強いて言うなら確認したいからかな…」

「確認？」

櫻井「心の汚れは元から付いているものなのか、誰かに付けられたものなのか、自分で付けたものなのか、そしてそれに自分は気づけているのかいないのか」

悲しいそうな、いや、懐かしそうな顔つきで淡々と喋る翔さん

櫻井「潤は自分の心、汚れていると思う？」

翔さんに見つめられ言葉を失う、
実際俺は普通の人より汚れていると思う。ここに来る前は人の目なんて気にならなかった。こう言うたぐいの質問にも即答できた。
でもなんでだろう、
声が出ない

櫻井「俺はね、変われると思うんだ。人は生まれてくる時、無事に生まれてきてくれればそれだけでいい。他には望まれない。でも、成長するにつれてこうなって欲しい、こうして欲しいってたくさんの希望がのしかかる。それに答えることができる人もいれば出来ない人も当然いる。これって世に言う人生の分かれ道ってやつなんじゃないかなって。どっちが正解ってのは無いけど、期待を裏切る道を選び続けると正解だったはずの道が不正解になってしまう、そしてその足跡は同じ足跡でも自分をより汚く見せる。それってとっても勿体ないと思わない？」

不思議だ。

今までの俺はこう言う話はすべて受け流していた
俺は俺の生き方がある。部外者が勝手に口出しすんなってそう思うやつだった。
俺はいつから、こんな事に耳を傾けるやつになれたのだろうか…