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トントンside
『たす、たっ、しゅけて、っ、や、や、やだぁ…』
「ああ、トントンか。すまんがそこ閉めておいてくれないか」
「…は?」
どうしてこんな事になっているのだろうか、と頭を抱える。
目の前には総統室の床にへたり、と座り込んでいるAと机に座って資料と試験管を眺めるグルさん。
Aの顔は真っ赤で呂律が回っておらず、何かにじっと耐えている。
そもそもどうしてこうなったのか、
時は1ヶ月前に遡る。
グルさんとオスマンが計画した毒慣れ習慣が始まった。
前の女達は衰弱死していたり、昏睡状態になったりとしていたので心配だったが、彼女は毒をものともしない。
貴重な人材なのもあるのか、グルさん達も比較的優しい毒から入れられている。
だがまあ体の負担になるには違いないから仕事の半分を俺がしたりして、負担を減らそうとしたのだ。
だけど辛いのを無理していたのか、幹部全員の"鬼ごっこ"にも参加しなかった。
グルさんに聞いたら毒が回って辛いらしく休ませている、と言われたがそこで違和感に気付くべきだったか。
そして今、資料の確認に総統室を開けたらこの状況だ。
「ちょ、Aどないしてん?大丈夫か?」
「大丈夫、じゃないかもしれんな」
イラッとして彼女のナイフを借り投げればグルッペンの机のど真ん中に刺さる。
こいつ、人をなんやと思ってんねん。
「まあ落ち着け。耐性は流石に付き始めてる。それにこれは人体に害のあるもんやない」
「……」
くつくつ笑って資料を差し出される。
それを見れば嫌でもなんの毒かわかって彼女を見れなくなった。
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たい焼き - とっても面白かったです!オスマンがすっごい刺さりました!! (3月18日 18時) (レス) id: 5f87212f07 (このIDを非表示/違反報告)
暁 - あッ好き!!!!! (8月7日 16時) (レス) @page47 id: 1fc9dc00b9 (このIDを非表示/違反報告)
Saklsaki(プロフ) - こんな胸に来る作品を作って頂き有難うございます。もう泣くかと思いました。月の下り良かったですよ。神作品でした。自分もこんな作品を作れるように頑張りたいと思いました。 (2021年8月19日 17時) (レス) id: 7893269b23 (このIDを非表示/違反報告)
夏目。(プロフ) - すきです。番外編待っとります (2020年10月4日 3時) (レス) id: c6ffa1b029 (このIDを非表示/違反報告)
漢字ノートが終わらない小学生 - めっっっっっっちゃ私の性癖にこう、 『グサッ』的な感じで刺さります!!!! (2020年8月18日 15時) (レス) id: abb7299221 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:壱 | 作成日時:2019年12月19日 18時