検索窓
今日:2 hit、昨日:52 hit、合計:758,067 hit

86 ページ37

.Aside


『……っ、』

「あ、起きた?」


寝ていたのか。と寝ぼけた頭で考えれば、自分がいかに凄い事をしたのかという嫌な現実が見えて来る。

『あの…ゾムさん』

「大丈夫大丈夫。ほんの15分ぐらいやで」

『そうじゃなくって…』

「ん?」

『御迷惑おかけしました』




今までなら絶対殺そうとした筈なのに、する気が起きない。

ちらりと顔を覗けば嬉しそうに口元を歪めていた。


「せやなあ!」

『なんで嬉しそうなんですか』

「可愛え一面見てもうたし、まさか抱きつかれるなんて思わんかってんなあ」

『…』



殺そう。

そう思い机の上にあるナイフを取ろうとすればその前にゾムさんに手を塞がれる。

指を絡められて、もう片方の手で顎を持ち上げられる。


きゅっと睨めば嬉しそうな顔が近付いて、もう片方の手でゾムさんの口を塞ぐ。



「…」


ふ、と得意げな笑みを浮かべた瞬間。

手ににゅるっとした感触があり、反射で手を退ける。
その隙にずいっと顔を近付けられ、驚いた私が目を開けたまま唇が触れた。



「まあ、今日はこんくらいで許したるわ」

『……?…っ、え、…ん?』




脳が現状を理解出来ず、困惑する。

さっき、あっさりキスされて、それで、え?



「…今、むっちゃええ顔しとる。泣いとる時の顔もかわええけど、その顔もええなあ」

『……っ!!』



パチィンッ!!!



ゾムさんの顔に真っ赤な紅葉ができる。多分それより私の顔のが熱い。

87→←85



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (492 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1705人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

チンアナゴ(プロフ) - 88で呟きを聞いている人って誰なんですかね…?それともこれからのお話で明らかになるやつですか? (2020年1月4日 10時) (レス) id: 8599bbc4dc (このIDを非表示/違反報告)
あこ(プロフ) - もう........尊とすぎて語彙力が....次も楽しみです!!がんばってください!!! (2019年12月8日 10時) (レス) id: 8776df8bdd (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 闇鬼星さん» お気遣いありがとうございます。被害者出ない程度で悶えてもらえたら嬉しいです。 (2019年12月8日 9時) (レス) id: 58d763e253 (このIDを非表示/違反報告)
闇鬼星(プロフ) - 更新お疲れ様ですぅ…………ゾムさんが可愛すぎて悶えて妹にライダー○ックしてました( '-' )頭痛くならないほどに更新頑張ってください……超絶応援してますですはい (2019年12月8日 8時) (レス) id: a2f6134a7d (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - かるたさん» 嬉しいですが痛いので倒れないでくださいね。 (2019年11月28日 4時) (レス) id: 58d763e253 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名: | 作成日時:2019年11月4日 16時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。