理不尽クソ幹部から逃げるだけ.2【wrwrd!】

69 ページ20

.


「おはうございます、Aさん」

『エーミールさん、おはようございます』



全く愛想のある表情をしようとしない顔の筋肉を特に気に留める事もなくエーミールさんは私に話しかけてくれる。

この人だけだ。私が警戒しないでもいい人は。するけれど、そこまで見張らなくていい。


理由を簡単に説明すれば、この人は私より物理的に弱いからだ。

流石にガチ腕相撲をすれば負けるんやろうけど、普段からこの人武器は拳銃だけやんね？勝てる勝てる。



「今日は遠距離部隊適正検査でしたっけ」

『はい』


そんな難しい名前やったんや、と思いながらパンを頬張る。

さっきトントンさんにセクハラもどきされときながらまたトントンさんと顔合わせなあかんのんか。


「私にも何か手伝う事があればいつでも言ってくださいね」

『なら、この国の国家機密を手当たりしだい持ってきてくれませんか？』

「ええ！わかりまし………ん？」

「良かったエミさんそこ一人で気付いてくれて」



トントンさんが少し後ろから話しかけてくる。

エーミールさんなら騙されてくれると思ったのにな。ちぇ。



「明日はゾムやからってあんまし手加減しませんけど」

『任してくださいよ！私にかかれば1発撃てば飛んでる鳥5匹ぐらい落ちてきますわ！』

「それは一周回って駄目なのでは？」

70→←68

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す