【鬼滅の刃】煉獄と霧氷【煉獄杏寿郎】

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「それはもう、惚気と言っても過言ではない程ですよ」


大きな溜息を吐き、こちらを向く


「Aさんが今日も可愛かったとか、ようやく自分を見た、とか。



…………あぁ、そうそう。姉の名前を出すととても落ち込む、またそれが可愛いとか、」



『……っ？』



「まったく、煉獄さんも悪趣味ですね。」


『杏寿郎、……』


姉の名前を出して、私が落ち込むのが可愛い……？

そんなこと、杏寿郎がする訳、


「一回ちゃんとお話することをおすすめしますよ。このままじゃすれ違ってばかりでしょうから」


『しのぶ……、今のを聞いて私が冷静でいられると思ってる？』


「まったく」


『しのぶだって随分悪趣味じゃない』


そんな、酷いですよ、なんてしのぶが言う
酷くはないと思うけど……


『話し合う、か……』


「あっ私ったらいけない！今から煉獄さん来るんですよ」


パチン、と手を鳴らし、わざとらしくニコッと笑うしのぶ

…………は？



「頑張ってくださいね」



『嘘でしょ、ほんとに』





………………_______



重苦しい沈黙が部屋に留まる


『……』


目の前の縁側に座る杏寿郎
鴉を肩に乗せ、何やら戯れている


「……A？」


『……何』


沈黙を破ったのは杏寿郎で、こちらを見やる表情は真面目なものだった


「胡蝶から聞いたぞ！俺に会いたくないからと蝶屋敷にいると」


『い、いや……そうなんだけど、、』


よっこいせ、と立った杏寿郎はそのままこちらに歩いて、隣に座る


「何か気に触ることでもしたか？」


じぃ……っと目を合わせられ、逸らせない
笑顔だが、目は笑ってない。


『…………しのぶに聞いたよ、私にわざと姉様の名前を……』


「！」


『そんなことする人じゃないと思ってた』


それを聞いた時の私の気持ちは
杏寿郎の口から出る姉の名前は呪いのようなものだった


「…………それは悪かったな！」


『悪かった……って、』


「まぁ……俺はお前の傷つく顔がすこぶる好きだったようでな」


遠くを見つめるかのように杏寿郎がそう言う

とんだ鬼畜野郎の発言をしているのに、気づいていないのか


「A」


不意に、腕を引っ張られる


『な、……』


「俺はAが…………」





「猪突猛進ﾝﾝﾝﾝﾝﾝﾝ!!!!!」



「い、伊之助っ！ダメだ入っちゃ……！！」



「うっわやったよコイツ！」





『……っ！？』

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