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hoarfrost…1* ページ1

『杏寿郎、おはよう。』


「ああ、おはよう!A!」


藤の家で次の任務を待つ間、庭先で炎柱・煉獄杏寿郎に会った
今はもうないが、昔から因縁のあった煉獄家の長男だ

昨日この藤の家で偶然会い、柱になってから久しぶりに少々談笑した


「そうだ!1つ聞きたいことがあるんだが!」


『何?』


縁側で柱に寄りかかりつつ返事をする
素振りをやめてこちらを向く杏寿郎


「氷柱・氷河崎A。まさかここまで来るとは思っていなかった!」


ニコッ!!!、と効果音がつきそうなくらいに笑った杏寿郎


『……それは、私の実力は柱には届いていないのにということ?』


「そんな訳あるまい!Aの実力は俺は言わずもがな、父だって認めていたさ」


杏寿郎の父、煉獄慎寿郎。
私の幼い頃に私の母と対立していた元柱だ。
氷は炎よりも弱い。それが自然の摂理だ。
なのにここ数十年、炎柱が氷柱に鬼の討伐数で勝ったことはない。だからずっと仲が悪かったのだが、

でもそれは、今を除いてだ。


「姉を目の前で亡くして、よく持ったなと感心した迄だ。」


そう言ってまた素振りを始める


『それだけ?』


「ああ!」


氷河崎氷雨
杏寿郎と同い年の私の姉だ。
姉は歴代の氷柱の中でも天才と呼ばれるほどの逸材だった

そんな姉なのに、上弦の鬼には勝てなかった。
私の目の前で、鬼に……


『私は……ただ、姉を殺した鬼じゃなくて自分が許せないだけ』


あの時に動けていれば変わっていたかもしれない

きっとこれから先、たくさんの人の命を助けたであ
ろう姉と

これから先、どれ程役に立てるかどうか分からない私なんて

天秤にかけたらきっと私は浮くほど軽い


「そうか!」


ビュン!!と風をきって、素振りは終わったらしい。
そのままこちらへ来る杏寿郎


「泣き虫だったAが柱か。時は過ぎるものだな」


遠い彼方を見るような、そんな目で私を見る


『そんなこと言って、私はあなたの二個下……』


熱い手が、頬に触れる


『な、何……?』




煉獄家特有の橙と赤の髪が揺れて、



杏寿郎の整ったその顔が目の前で、



その真っ直ぐな瞳に吸い込まれて、




「……氷雨によく似ている」



『……〜ッッ!!』



勢いよく、腕を振り上げる
その腕は杏寿郎によって止められてしまう

hoarfrost…2*→



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設定タグ:鬼滅の刃 , 煉獄杏寿郎 , 竈門炭治郎   
作品ジャンル:アニメ
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ざざここ - 泣きました...ありがとうございました (2019年8月26日 23時) (レス) id: e1527044e1 (このIDを非表示/違反報告)
小夜(プロフ) - ひえええ鬼滅学園だぁぁ!こっちでいっぱいイチャイチャして末永く幸せにしてッ‥! (2019年8月26日 16時) (レス) id: bdb178dea2 (このIDを非表示/違反報告)
omochi(プロフ) - 三日月狐さん» うわぁあ、鬼滅学園、めっちゃいいですね…!!アイディアありがとうございます!イチャイチャさせたい…! (2019年8月18日 17時) (レス) id: 483cf2a139 (このIDを非表示/違反報告)
三日月狐(プロフ) - 完結お疲れ様です!イチャイチャできなかった夢主と煉獄さんがイチャイチャするのをこの続きとして鬼滅学園を書いて欲しいです! (2019年8月18日 14時) (レス) id: 3509484858 (このIDを非表示/違反報告)
卯の花(プロフ) - めっちゃ好きです。更新応援してます! (2019年8月16日 2時) (レス) id: 96075550f8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:omochi | 作成日時:2019年4月27日 19時

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