来世なんて、いらないな (ページ7)

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5日目　　昔(**視点) ページ7

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『ねぇ、聞いた？』

**｢なにを？｣

『あの病持ってる子さぁ』

**｢…うん｣

『ついに病院からも追い出されたんだって』

**｢なんで？｣

『その病さー原因不明で手のつくしようがないんらしいんだ。
それで他の人に被害がでるかもしれないからって』

**｢…なんか、酷い｣

『まぁそうだよねー』

**｢その子はどこにいるの？｣

『町から離れた山のふもとの小屋に入れられてるみたい。
それがなにかした？』

**｢別に。聞いただけ。
私もう帰るね｣

『うん。ばいばい』

ひどい

同情かもしれないけど

ひどいと思う

その子だって好きで病気になったわけじゃないのに

ふもとの、小屋…

なんどか通りかかったけど
あそこは相当狭いしそれに

一人でだなんて。

そんなの寂しいじゃないか。

ついた…

相変わらずボロいな

ギィ……

**｢誰か、いる？｣

　

何個か積み重なれた木箱の
近くには手首を縛られて横たわっている女の子がいた。

**｢…!! 大丈夫！？｣

バッと近寄りゆっくりとおこす

とても顔色が悪かった

なんにも食べてないんだろう

やせ細っている

A｢…………だ、れ？｣

弱々しいが声をなんとか聞き取れた

**｢私は**。君がここにいるって聞いたから
…一人で、寂しかったよね？

これからずっと一緒にいてあげるよ｣

ギュッ…と抱きしめる

最初はすこし驚いたようすだった

だけどどんどん怒ったような顔に変わっていく

A｢…うるさい｣

**｢…え？｣

A｢あんたも医者の奴らとおんなじなんだろ？
同情なら出てけってッ…！｣

なんにも信じられないんだな
今までずっと裏切られてきたから

**｢出てかない
同情なんかじゃないよ。
…私とさ、友達になろう？｣

Aちゃんは頷いてからは黙りこんでしまった

それでもいい

私は毎日小屋に遊びに行くようになった

**｢それでさぁ～。私だけ怒られちゃったんだよね…w｣

A｢なにやってんのさw｣

何ヶ月もたって、普通に会話できるようになっていた
周りから見れば友達、みたいに
楽しかった

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次からはA視点です