50話 ページ4
し「もう完全に大丈夫ですよ。お疲れ様でした。」
私は最後の診察を受けた。私の体はもう大丈夫らしい。
A「ありがとうございます。はぁ…これであの鬼を倒せる。」
し「え？あの鬼？」
あ。しまった。つい心の声が出ちゃった。
…まぁ、隠す事じゃないし…
A「私が怪我をした時、倒せなかった鬼です。ここから先の町の所ですね。一週間後に決着を先延ばしにしていたんです。」
すると胡蝶さんはびっくりした顔をしたがまたいつもの笑顔に戻った。
し「分かりました。気をつけて行ってくださいね。」
A「はい。色々と本当にありがとうございます。では行ってきます。」
私はそう言い部屋を出ようとした時…
し「待ってください！」
A「はい？」
私は胡蝶さんに呼び止められ足を止めた。
胡蝶さんは少し悲しいような嬉しいような顔をしてゆっくり口を開けた。
し「実は時透くんが上弦の伍の戦いに勝ったらしいですよ。」
A「え…」
私はなんて言っていいか分からなくて言葉に詰まった。
A「そ、そうなんですね！無一郎くんが生きていて良かったです！それでは！」
私は即座に部屋から走って逃げるように出て行ってしまった。
し「…………………だそうですよ。…………………時透くん。」
無「…………。」
A「あぁぁ！！私の馬鹿！馬鹿！」
私は胡蝶さんの屋敷の門の前で自分で頭を拳で叩いていた。
カ「A？何してるの？そんなに頭叩くともっと馬鹿になるよ？」
A「カナヲちゃん…」
カナヲちゃんはいつのまにか私の目の前にいた。
…カナヲちゃんって結構ズバッと言うんだね…
カ「もう行くの？寂しいな…。」
カナヲちゃんは下を向いて悲しそうにしていた。
私はカナヲちゃんの頭を優しく撫でた。
A「絶対私戻って来るから。また帰って来たらお稽古しようね！」
私は前を向き走りながら後ろに手を振った。
カ「うん！絶対帰って来てね！」
カナヲちゃんはそれに答えるように私に手を振ってくれた。
ラッキーカラー
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作者名：もっちぃ | 作成日時：2020年7月15日 17時
