68話 ページ22
私は夜明けの道を歩いてる時、足取りが重かった。
「25を超える頃にはもう死んでいるわ。」
頭の中に先ほどの言葉が過ぎる。私はふと立ち止まり右手の手のひらを見た。
体が熱くなり、心拍数が上がり、まるで自分の体ではないような感覚だった。
戦闘中にふと見た右手…
指全体が桃色の蔦のようなもので絡まれていて所々に桜の花が咲いていた。
きっとそれが鬼の言う痣というものだろう。
A「25までか…私の命…今私が14だから…あと11年しか生きられないって事？」
私は失望して空を見上げた。
私を照らしている月が気味悪く光っていてまるで私のことを嘲笑っているかのように見えた。
無一郎くんの屋敷に着いた頃は朝方の日の出が出る前だった。
A「……ただいま…。」
私は消えそうな声で戸を開けた。無一郎くんは今の時間はまだ寝ているだろうと思っていたが、奥の長い廊下から走ってくる足音が聞こえた。
無「A！！おかえり！どうだった？怪我してない？」
無一郎くんは可愛らしい笑顔で私に抱きついてきた。いつもの私ならきっと嬉しかったのだろう。でも今はそんな気持ちにはなれなかった。
A「なんで無一郎くん起きてるの？…もしかして任務？」
無「うん！今から行くところだった。……ところでどうしてそんなに落ち込んでいるの？」
無一郎くんの問いに少し驚いたが、帰っている時に考えていた言葉を話した。
A「無一郎くん。私たち別れましょ？」
無「え…。急にどうして…」
A「……もう疲れたの。」
私は冷たく言い放った。
ごめんね…無一郎くん。もう無一郎くんの大切な人失わせたくないの。ごめんね。
これが私の考え抜いた答えだった。
ラッキーカラー
あずきいろ
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作者名：もっちぃ | 作成日時：2020年7月15日 17時
