霞柱様は私の事を忘れてしまったそうです【時透無一郎】part2 (ページ13)

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59話ページ13

私は森の中に入り、少し奥に進んだところで立ち止まり耳に手を当て目を閉じた。

…

A「…？何も聞こえない。」

鬼が居ると変な気配がしてすぐに鬼がいる場所を当てる事ができるのに何故か変な気配はなかった。

A「熊かなんかだったのかな？あの人何か間違えたのかも…」

「カァー！！」

私が考えていると頭上からカラスの鳴き声が聞こえた。

A「………！！シロ！！もしかして鬼のいる場所わかるの！？」

私の頭上高く飛んでいたのは私の鴉だった。シロはカァーと鳴き西の方へ飛んだ。私はその後を追うようにシロに従い走った。

何分か走ったところに女性が倒れているのを見つけた。

A「大丈夫ですか！！しっかりしてください！」

「うぅ……」

女性は深い怪我を負っていて、出血の量も凄かった。

女性は薄っすら目を開けると私に向かいなにかを話した。

「に……げ……て……」

A「…！！」

女性はその言葉を言うと気を失ってしまった。私はと言うと何か後ろに気配を感じとっさに女性を抱えたまま回避しようとしていた。

しかし、私が抱えていた女性は何者かに奪われてしまった。

「返して！この子は私のものよ！」

私の目の前にいたのは女性を大事そうに抱えた女の鬼が立っていた。