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その日の放課後。
ホームルームが終わって帰り支度をしていると「りょーくん…」って声を掛けられた。
「ん？なに？」
顔を上げれば向かい側にはクラスメイトのノノカが立っている。
彼女は何か言いづらいことでも話すかのように「あの、えっとね…」と口ごもっていた。
そうこうしているうちに教室内の人はぐっと減って、片手で数えられる程度になる。
「あの…これ見ちゃって…」
差し出されたのは彼女のスマートフォン。
「え…」
四角い画面には俺のよく知る2人が写っている。
その画像を見た瞬間、俺は鈍器で頭を殴られたようなそんな衝撃が走って、めまいを起こしそうなほど頭がクラクラした。
でも、それと同時に無数の点がひとつの線になるような感覚も抱いていた。
まさか、そんなのありえない。
そう頭で何度否定するけど、写真に写るのはAと先生でしかない。
それでも信じられなかった。
どうしても信じたくなかった。
「こんなの撮っちゃダメだって分かってたけど、知らないままなんてそんなの涼くんが可哀想だと思って…」
目の前の彼女が何かを言っているけどそんな言葉一つ耳に入らない。
「涼くん私、涼くんのために…」
「ごめん。これは俺たちの問題だからノノカは関わらないで」
「でも…」
「ノノカには関係ない事だから」
「涼くん…あの、私っ」
「教えてくれてありがとう。じゃあ、また明日」
何かを言おうとした彼女の言葉を遮って席を立つ。
教室を出て向かう場所はひとつだった。
相変わらずガラガラとうるさい引き戸を開ければ、畳に寝転がっていたその人が「ん…」とゆっくり目を開ける。
「なんだ橋本か。…なんか用？」なんてあくび混じりに言いながら体を起こして、呑気にぐーっと伸びをするその人に腹が立って仕方がない。
大きく息を吸って深く吐いた。
「先生」
「ん？」
「先生はAのことどう思ってるんですか？」
もっと回りくどく聞くことだってできただろう。
こんな直球じゃなくたって、もっと聞き方はあったと思う。
でも、
「Aのことどう思ってんの？」
今の俺には他の言葉は思いつかなくて、こんなストレートな聞き方しかできなかった。
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おと - お話の続きが楽しみです！！ (2021年8月28日 19時) (
レス) id: 48183e6fe8 (このIDを非表示/違反報告)
あや(プロフ) - アンビバレンス本当に好きで何度も読み返しています！先生にキュンキュンしっぱなしです！これからも楽しみにしています♪ (2021年4月12日 1時) (レス) id: d827ef360d (このIDを非表示/違反報告)
すず - 更新楽しみにしてます！とても面白くてキュンキュンしてます、 (2020年11月2日 20時) (レス) id: 9ade0148b3 (このIDを非表示/違反報告)
rin(プロフ) - こんばんは、再びお話読めて嬉しいです。どっちのことを思っても苦しくなりますけど、優斗先生も涼くんもかっこよくてこんな高校生活を送りたかったと毎日思います。素敵なお話ありがとうございます。 (2020年6月19日 1時) (レス) id: 33ae3a68db (このIDを非表示/違反報告)
りの(プロフ) - いつもキュンキュンしながら読ませて頂いています。これからも楽しみにしています♪ (2020年6月3日 22時) (レス) id: e6fd1d12b5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りゅりゅ
| 作者ホームページ：https://twitter.com/ryuryu_movie?s=09
作成日時：2019年3月25日 14時
