18歳＿＿夏 終 ページ33
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何を思っていたって、何に悩んでいたって、時間は止まることなく過ぎていく。
休みが明ければまたいつも通り学校が始まった。
あの日から数週間が経っているけど、先生とは会話どころか会ってすらいない。
学校というこんなにも狭い世界で合わないということは、きっと先生がそうしているんだろう。
「今年の夏は勉強かー」
昼休みに一緒にお弁当を食べながら、橋本くんは「早く受験終わらないかなー」って困ったように眉を下げながら言う。
体育祭が終われば大きなイベントはなくて、数日後には前期の期末試験が待っていて、それが終われば夏休み。
受験生は夏が勝負なんて言われていて、私自身夏休みは連日予備校の夏期講習の予定だ。
……だからもう私にはあの人のことを考える隙間なんてない。
頭ではそうわかっていた。
何を優先すべきかもわかっていた。
それでもあの人の表情が、言葉が頭から離れなくて、振り払うように勉強をしてみたけれど、勉強が終わればまたすぐ簡単にあの人に頭も心も支配されてしまう。
毎日毎日それの繰り返しでもう気が変になりそうだった。
「お互い受験が終わったらどっか遊びに行こうね」
「…うん」
「Aは大丈夫だろうけど、問題は俺か(笑)」
「そんなことないよ」
涼くんの言葉にさえ上手く笑えているのかわからない。
変わらず隣にいてくれる彼に、私も変わらずにいられている…？
でもいいの…？本当に。
何も知らない彼の隣に、こんなにも不純な感情を持った私がいていいの？
＿＿涼くんがいながら私は先生にキスをした。
それは揺るぎない真実で、言い訳なんて到底できない不純な裏切り行為だ。
そんなことをしているくせに、何もなかったかのようにして元の場所に戻るなんて、やっぱりそんなの都合がよすぎる。
「ねぇ、…涼くん」
「ん？」
「あのね、私……、」
今日こそ、今日こそ切り出そう。
そう何度も思った。
私といることで、こんなにも優しい彼の時間を無駄にはしたくない。
そう思って言葉を伝えようとするのに、
「…今日勉強して帰るから一緒に帰れないの」
私の不貞を言葉にしようとするのにそれは声にはならなくて、口から出るのは自分を守る為のでまかせの言葉だけ。
臆病で卑怯な私は、本当に伝えないといけないことを今日も誤魔化した。
【18歳＿＿夏】終
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おと - お話の続きが楽しみです！！ (2021年8月28日 19時) (
レス) id: 48183e6fe8 (このIDを非表示/違反報告)
あや(プロフ) - アンビバレンス本当に好きで何度も読み返しています！先生にキュンキュンしっぱなしです！これからも楽しみにしています♪ (2021年4月12日 1時) (レス) id: d827ef360d (このIDを非表示/違反報告)
すず - 更新楽しみにしてます！とても面白くてキュンキュンしてます、 (2020年11月2日 20時) (レス) id: 9ade0148b3 (このIDを非表示/違反報告)
rin(プロフ) - こんばんは、再びお話読めて嬉しいです。どっちのことを思っても苦しくなりますけど、優斗先生も涼くんもかっこよくてこんな高校生活を送りたかったと毎日思います。素敵なお話ありがとうございます。 (2020年6月19日 1時) (レス) id: 33ae3a68db (このIDを非表示/違反報告)
りの(プロフ) - いつもキュンキュンしながら読ませて頂いています。これからも楽しみにしています♪ (2020年6月3日 22時) (レス) id: e6fd1d12b5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りゅりゅ
| 作者ホームページ：https://twitter.com/ryuryu_movie?s=09
作成日時：2019年3月25日 14時
