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掴んでいた襟ぐりを離して、地面にそっとかかとをつける。
目の前の�盒鏡萓犬録爾い燭畭�を漏らすと、「なんでこんなことすっかなあ…」と言って片手で顔を覆っていた。
＿＿先生を困らせたい。
そんな私の子どもじみた、でもまったく子どもらしくない仕返しはきっと成功したんだろう。
「お前さー、自分が何したかわかってる？」
「わかってます」
「わかってんなら尚更ダメじゃん(笑)」
「なんだよ、自覚ありかよ」って呆れたように言った先生は、それから「あーあ。ほんとバカ、バカすぎ」と吹っ切れたみたいに笑った。
「バカだね、Aちゃん」
「バカバカ言わないでください」
「だってバカだろこんなの(笑)いやー、まさかAちゃんがこんなバカなことするなんて思わなかったわ」
「だから！バカって言わな…」
言葉が詰まったのは、先生の表情のせい。
……2回目だ。
切なげな目を細めて、儚く微笑む。
そんな先生の顔を見るのは2回目だ。
ゆっくりと伸びてきた私よりもずっと大きい右手が、包み込むように頬に沿わされる。
初めてでもないのに、思わずビクッと肩が揺れた。
角張った手に頬を撫でられ、見つめ合う。
初めてまっすぐに先生を見るとなんだか照れくさくて、近づくその顔がぼやける前に私は固く目を瞑った。
「……んっ、」
重なった唇からその人の熱が、柔らかさが、伝わる。
心臓は壊れたみたいに早く波打って、繋がったそこから簡単に私の鼓動まで伝わってしまいそうだ。
「って、バカなのは俺も一緒か」
ゆっくりと唇を離した先生はそう呟くと、まるで自分との間に線を引くみたいに私の体をトンっと押した。
「……でもダメだよ、これ以上は」
人の心には勝手に踏み込んでくるくせに、私にはこれ以上はダメだと言う。
それならなんで？
なんで今キスしたの？
どうしてそんな思わせぶりなことをするの？
私はダメでも先生はいいの？
「あーあ、また落としちゃって。ほら、これ」
「先生…」
「もう迷子になるなよ」
私にネックレスを渡すとそれだけ言った先生は、溢れ出した疑問を言葉にする暇さえ与えないようにしてこの場を去っていった。
甘ったるいバニラの香りと唇に残る熱だけを残して、振り返ることなく歩いていった。
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おと - お話の続きが楽しみです！！ (2021年8月28日 19時) (
レス) id: 48183e6fe8 (このIDを非表示/違反報告)
あや(プロフ) - アンビバレンス本当に好きで何度も読み返しています！先生にキュンキュンしっぱなしです！これからも楽しみにしています♪ (2021年4月12日 1時) (レス) id: d827ef360d (このIDを非表示/違反報告)
すず - 更新楽しみにしてます！とても面白くてキュンキュンしてます、 (2020年11月2日 20時) (レス) id: 9ade0148b3 (このIDを非表示/違反報告)
rin(プロフ) - こんばんは、再びお話読めて嬉しいです。どっちのことを思っても苦しくなりますけど、優斗先生も涼くんもかっこよくてこんな高校生活を送りたかったと毎日思います。素敵なお話ありがとうございます。 (2020年6月19日 1時) (レス) id: 33ae3a68db (このIDを非表示/違反報告)
りの(プロフ) - いつもキュンキュンしながら読ませて頂いています。これからも楽しみにしています♪ (2020年6月3日 22時) (レス) id: e6fd1d12b5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りゅりゅ
| 作者ホームページ：https://twitter.com/ryuryu_movie?s=09
作成日時：2019年3月25日 14時
