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「…、…A！」
「えっ！？あ、ごめん」
「なんかあった？最近ずっとぼーっとしてるし、大丈夫？」
放課後の教室。
1人だと寝ちゃうからって涼くんに頼まれて一緒に勉強していたのに、どうやら私はいつの間にかぼんやりとしていたらしい。
心配そうに私を見つめる瞳に、私すら気付いていない心の内までも見透かされそうで、「予備校行き始めて、それで疲れてるのかも！」なんて笑ってごまかす。
「予備校かー。受験生って感じだね」
「だって受験生でしょ？」
「えー。でもまだ3年じゃないし、ギリギリ受験生じゃない！そう思いたい(笑)」
「やだなー、受験したくない」って、向かい合って座っていた彼は駄々をこねる子どものように机に伏せた。
「ねえ、A？」
ああ、ずるい。
名前を呼びながら、その上目遣いはずるい。
反則的に可愛いくて、きっとここに他にも女の子達がいたら黄色い歓声をあげるんだろう。
「早いね。もう1年だって」
「ほんと早いよね。もう1年で卒業だもんね」
「いや、違くて。まあ、それもそうなんだけど…」
「そうなんだけどね、」って言いながら体を起こした彼はガサゴソと鞄をあさって小さな四角い箱を取り出した。
「え…っ、」
静かに開かれたそこには、小さなハートがあしらわれたピンクゴールドのネックレス。
「俺と一緒にいてくれてありがとう。2年目もよろしくお願いします」
「…あ、えっと…」
「あー！もしかして忘れてたでしょ？」
意地悪な笑いを含んだその言葉に首が取れるんじゃないかってくらいぶんぶんと横に振る。
忘れてない。
私にとって夢見たいな日だった1年前の今日のこと、忘れるなんてできない。
「でもっ、私…何も用意してなくて。その、プレゼントとか」
「いーよ。だって俺がAにつけて欲しくて買っただけだから、Aは気にしないで」
涼くんはやっぱり今日も優しくて、
「はい、できた」
背中に回ってネックレスをつけてくれるところも、
「似合ってる。可愛い」
掛けてくれる言葉もやっぱり王子様みたいで。
もう何度目かも分からないけど、何も迷わず彼といれば幸せになれるってそう思った。
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おと - お話の続きが楽しみです！！ (2021年8月28日 19時) (
レス) id: 48183e6fe8 (このIDを非表示/違反報告)
あや(プロフ) - アンビバレンス本当に好きで何度も読み返しています！先生にキュンキュンしっぱなしです！これからも楽しみにしています♪ (2021年4月12日 1時) (レス) id: d827ef360d (このIDを非表示/違反報告)
すず - 更新楽しみにしてます！とても面白くてキュンキュンしてます、 (2020年11月2日 20時) (レス) id: 9ade0148b3 (このIDを非表示/違反報告)
rin(プロフ) - こんばんは、再びお話読めて嬉しいです。どっちのことを思っても苦しくなりますけど、優斗先生も涼くんもかっこよくてこんな高校生活を送りたかったと毎日思います。素敵なお話ありがとうございます。 (2020年6月19日 1時) (レス) id: 33ae3a68db (このIDを非表示/違反報告)
りの(プロフ) - いつもキュンキュンしながら読ませて頂いています。これからも楽しみにしています♪ (2020年6月3日 22時) (レス) id: e6fd1d12b5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りゅりゅ
| 作者ホームページ：https://twitter.com/ryuryu_movie?s=09
作成日時：2019年3月25日 14時
