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先生と別れて教室に戻ると橋本くんがいた。
私の席に座って頬杖をつきながら、ぼんやりとグラウンドを眺めている。
「涼くん」
いまだに心が擽ったくなる呼び名で彼を呼んだ。
あの日。
ひとつになって、初めて呼んだ彼の名前。
それはあの日のあの瞬間だけだと思っていたのに、それ以来橋本くんと呼ぶと「涼って呼んで」と訂正される。
最近ではその回数も減ってきたけど、気を抜くとすぐに「橋本くん」って呼び方にもどってしまうから、まだまだ慣れるには時間がかかりそうだった。
「待たせてごめんね」
「俺が待ちたくて待ってただけだから大丈夫！」
相変わらず橋本くんは優しい。
「はい」と彼が渡してくれたスクールバッグに半分に折りたたんだ紙をしまうと、それを肩に掛けた。
隣同士で歩いていると、「もうすぐ3年だね」なんておもむろに彼が口を開く。
「早過ぎない？つい最近高校受験したと思ったのに今度は大学受験なんてマジで無理なんだけど(笑)」
「涼くんはもう進路決めたの？」
「俺？俺は音楽好きだからそれに関わる仕事がしたくて。……あ、でも俺が歌手になるとかじゃないよ(笑)」
「見るのは好きだけどなるのは無理」なんて彼はおどけて言ったけど、彼のルックスと愛嬌があれば芸能界だって目じゃないのになんて思う。
でも当の本人にはそんな気は更々ないらしい。
「ライブのイベントスタッフとかさ、なんか良くない？みんなが幸せになれる時間作ってるって。だからそういうの勉強したくて、専門学校行こうかなって思ってる」
「そうなんだ。…ちゃんとあるんだね、夢」
「全然具体的なやつじゃないけどね(笑)やりたいなーくらいで、学校とかはまだまだ調べ途中だし」
「あとは学力次第なとこもね(笑)」と橋本くんは照れ隠しのように目を細めて笑っていた。
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おと - お話の続きが楽しみです！！ (2021年8月28日 19時) (
レス) id: 48183e6fe8 (このIDを非表示/違反報告)
あや(プロフ) - アンビバレンス本当に好きで何度も読み返しています！先生にキュンキュンしっぱなしです！これからも楽しみにしています♪ (2021年4月12日 1時) (レス) id: d827ef360d (このIDを非表示/違反報告)
すず - 更新楽しみにしてます！とても面白くてキュンキュンしてます、 (2020年11月2日 20時) (レス) id: 9ade0148b3 (このIDを非表示/違反報告)
rin(プロフ) - こんばんは、再びお話読めて嬉しいです。どっちのことを思っても苦しくなりますけど、優斗先生も涼くんもかっこよくてこんな高校生活を送りたかったと毎日思います。素敵なお話ありがとうございます。 (2020年6月19日 1時) (レス) id: 33ae3a68db (このIDを非表示/違反報告)
りの(プロフ) - いつもキュンキュンしながら読ませて頂いています。これからも楽しみにしています♪ (2020年6月3日 22時) (レス) id: e6fd1d12b5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りゅりゅ
| 作者ホームページ：https://twitter.com/ryuryu_movie?s=09
作成日時：2019年3月25日 14時
