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「あの」
「ん？」
「先生はなんで先生になったんですか？」
「唐突だな(笑)…あ、もしかして俺のこと気になっちゃう感じ？」
「……は？やっぱりバカなんですか？」
「ちょっ、おまっ！ひでぇーぞ、おい(笑)」
ケラケラとひとしきり笑ったその人は「あー、なんでだっけ？」小首をかしげて考えるポーズをとると数十秒そのままでいた。
でも結局、「……忘れた(笑)」と目を細めてクシャッと笑う。
「色々あるんだよね、きっかけって」
「色々…」
「そう、色々。高校の時の担任がすっげぇいい人だったこととか、単純に子どもが好きだってこととか。あとは人に教えることが好きって性格もだし、大学生の時にやった塾講師のバイトもね。“特にこれが”ってのはわかんないけど、色んなことがきっかけになったかなー」
「迷わなかったんですか…？教師になること」
「迷ったよ。俺、こう見えて慎重だから」
「Aちゃんにはどう見られてるのかは知んないけど(笑)」って、また先生はチャハチャハと笑う。
「自分がなれるのか不安だったし、向いてないかもって思ったこともあるし。言っちゃえば教師になった今でも悩むことあるよ」
「それでも辞めようって思ったことはないんですか？」
「ないね」
即答だった。
それは一瞬も考える暇がないほど、すぐに返ってきた答え。
「だって、きっとそんなのどの職に就いたって同じだから。だったら自分がやりたいことやって、それで悩んだ方がよくない？やりたくないこと無理にやって悩むより、好きなことやって壁にぶつかって悩む方が楽しいじゃん」
いつだってチャラくて、ヘラヘラ笑っていて、不真面目な�盒鏡萓検�
そんな人だと思っていたのに、先生はちゃんと“先生”だった。
思っていたよりもずっとずっと“先生”だった。
「学ボラ。またやりたくなったらおいで。春休みもやるらしいし、由利江も子どもたちも待ってるから」
先生の言葉に少しだけ軽くなった心。
「じゃあね」とまた例のごとく私の頭で手のひらを弾ませたその人は、そのままわざと髪をぐしゃぐしゃっとして去って行った。
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おと - お話の続きが楽しみです！！ (2021年8月28日 19時) (
レス) id: 48183e6fe8 (このIDを非表示/違反報告)
あや(プロフ) - アンビバレンス本当に好きで何度も読み返しています！先生にキュンキュンしっぱなしです！これからも楽しみにしています♪ (2021年4月12日 1時) (レス) id: d827ef360d (このIDを非表示/違反報告)
すず - 更新楽しみにしてます！とても面白くてキュンキュンしてます、 (2020年11月2日 20時) (レス) id: 9ade0148b3 (このIDを非表示/違反報告)
rin(プロフ) - こんばんは、再びお話読めて嬉しいです。どっちのことを思っても苦しくなりますけど、優斗先生も涼くんもかっこよくてこんな高校生活を送りたかったと毎日思います。素敵なお話ありがとうございます。 (2020年6月19日 1時) (レス) id: 33ae3a68db (このIDを非表示/違反報告)
りの(プロフ) - いつもキュンキュンしながら読ませて頂いています。これからも楽しみにしています♪ (2020年6月3日 22時) (レス) id: e6fd1d12b5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りゅりゅ
| 作者ホームページ：https://twitter.com/ryuryu_movie?s=09
作成日時：2019年3月25日 14時
