検索窓
今日:1 hit、昨日:0 hit、合計:1,855 hit

ページ10

.



「1人でなんでもできるようにならなきゃって……おもったんだけど……。……ご飯つくるのって、とってもむずかしいね……。それに、あなたがつくってくれたものより、あんまりおいしくない……。もっといろいろ、勉強しなくちゃ」

「きっと、薄々気付いてるんじゃないかなって思うの。私が何を考えてて、何を望んでて、どうしたいのか。……何も分からないような、無知な子じゃないことなんて、私が1番よく分かっているわ。だって、ずっと一緒にいたんだもの。……そう、ずっと、一緒に」

「今までも、これからも。ずっと一緒にいるものだと思ってたの。疑ったりだってしてなかった。それなのに。……どうして、離れようとするのかしら。ずっと一緒にいるのが普通だと……。……違うわね、ずっと一緒に、いてほしいのに。……離れてなんて、欲しくないのに」

「あの子の家族なんて現れなければいい。……姿だけじゃない。名前も、声も、香りひとつだって、何も触れさせたくないの。……だって、もし現れたら、私なんてきっと……捨てられちゃうもの」

「あの日、あの子の手を引いたことを後悔した日なんてない。……けれど、強いて言うなら……自分が自分だったことに、後悔したことならあるわ。もっと普通の女の子だったら……本当に、可愛いだけの、ふわふわとした無知な天使なだけだったら。そうしたら、こんな気持ちになることだって、なかったかもしれないのに」

「いつか……ずっと、眠れないようになるかもしれない。はたまた、ずっと、ずぅっと、眠り続けるようになるかもしれない。……どうかしらね、あくまで可能性の話であって、確実に起こると決まったわけじゃないけれど。……そうなる日が来るかもしれないこと、貴方には知っておいて欲しいの」

「貴方が側にいてくれる時だけ。……なんとなく、なんとなくね。普通に、眠れたような気がしたのよ。……いい夢を、見れたような気がしたの」


「──おやすみなさい。私の……大事な、大事な……」



.

▼備考→←▽



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
オリジナル作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:望月 | 作成日時:2023年3月20日 10時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。