ルーツメイト 第一章 〈A〉

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「テヒョン君本当に久しぶりねぇ、すっかり大人っぽくなっちゃって」

「そうですか？」

「見惚れるほどイケメンだわ。うちの子貰ってくれない？」

「お母さん、ちょっと黙って！」

「……はは」


……この母親はまったく…

マンションに着いた時なんて私の切れた口を見て涙まで浮かべてたのに。
娘を心配する良き母親だったのに。
とりあえず無事だと分かるや否やこれだよ。

まぁ遠くから朝一で来てくれたのは感謝するけどさ


「それで？その助けてくれたっていうお友達は？」

「…あ、うん。なんか大事な用事があるらしくて。昨日遅くまで付き合ってもらったし…」

「……」

「そう…直接お礼したかったのに…」

「また今度伝えとくよ」

「…そうね、うちの愛娘を護ってくれた人だもの。一生恩は忘れないって伝えといて？」

「……うん」


お母さんは微笑んで頭を優しく撫でてくれる

こうされると
いくつになってもやっぱり私はお母さんの子だな、って思う


「お母さん今日は仕事休んで来たけど、お父さんはどうしてもお仕事休めないみたいで。すんごく心配してたから夜に電話してあげて？」

「わかった」

「じゃぁお母さんそろそろ帰るから。テヒョン君、Aのこと宜しくね」

「あ、はい」

「え？もう帰るの？」


普通わざわざ都会に出てきたなら１日くらいゆっくりしてかない？
娘があんな目にあった後なら尚更


「それが今日はやっとチケットが取れたアイドルグループのコンサートなのよ。この日のために色々準備してたから夜には地元に着けるようにしとかないと」


なんてお母さんらしい…
いっそ清々しいわ


呆れる私と苦笑いのテヒョンを残して
お母さんは本当に帰っていってしまった。

なんて親だ









「……で、」

「え？」

「もういい？」

「…なにが？」

「さっきの続き」

「…さっきの？」


なんかしてたっけ？

首を傾げてテヒョンを見上げると
ニヤリと意味深な笑み


「年頃の男女がベッドの上ですることと言えば決まってんだろ」

「………はっ！？」


驚いてすっとんきょうな声が出る

なに言ってんのこの人！？

元々変な人なのは知ってたけど
頭でも打ったのかと心配になった

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