ルーツメイト 第一章 〈A〉

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カチャン

しっかりと戸締まりをしてリビングに戻った


「…終わったって？」

「うん。帰ってったよ」

「「…はぁ…」」


被るため息にはいつのまにか慣れてしまった


「ジミン警察の人に自分の事何て言ったの？」

「ん？普通に友達って」

「…そっか」

「それよりさ、思ったんだけどこの事ご両親に連絡しなきゃじゃない？」

「あ、なんかさっき警察の人が連絡してくれて電話でちょっと話したよ」

「心配してた？」

「うん。でもここからちょっと遠いし時間も遅いから…とりあえず明日来てくれるって」


そっか、と微笑むジミン
…また。ほっとする


「…とりあえずAは寝なよ。疲れたでしょ」

「ジミンは…」

「俺はAが寝るまで子守唄歌ってあげる」

「…それ寝れなくなるパターン…」

「文句言わないの！」


ほら寝て！とベッドをポンポンするから
私は戸惑いつつ私服のまま寝転がる


「…シャワー…」

「明日でもいいでしょ」

「…ご飯片付けなきゃ」

「チヂミは俺が食べてあげる」

「……」

「はい、寝るー」


そのあともずっと私を気遣いながら頭を撫でてくれるから
なんだか無性に甘えたくなった


「………手、繋いでてもいい？」

「……おー」


恥をしのんでお願いすると

ジミンは
やっと素直になった、とでも言うように
にやりと笑って手を重ねてくれた

でもその耳はまた赤くなったから
やっぱり彼も照れていたんだと思う


「……なーA」

「…ん？」

「ずっと気になってたんだけどさ…」

「…うん」


あぁ
ジミンの声が優しい
心地いい


「俺ってさ、こっちの世界だとどこでなにしてんのかな」

「んー…」


手、あったかいな


「……A？」

「……」

「ははっ…寝るの早ぇなー」


寝てないよ
まだ聞こえる

私もずっと気になってた
こっちのジミンはどこにいるんだろって
それからそっちの私も

きっとどっちでも仲良くなれると思うんだ
だって


「……………おやすみ」


あぁ

ごめんジミン


もう眠いや









……



…………



……………………





"Aちゃん"



名前を呼ばれて振り返ると
幼稚園の制服を着た男の子



"Aちゃん、あんまりそっち歩くと危ないよ"



前を見ると大きな道路

向こうには信号待ちしている車が沢山停まっている

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