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テヒョンの服を掴んでいた手に力が入らなくなって
ぺたりとその場に尻餅をついてしまう


「…は?襲われそうになった…?」


そんな私にやっと目を向けたテヒョン


「…テヒョンが、出ていってから…少ししたら玄関の扉が開いて知らない男が入ってきたの」

「…は…」

「…多分、ジミンが来てくれなかったら今頃…」

ゾク

嫌でも想像してしまう
もし、さっきジミンがいなかったら
テヒョンが帰ってくる前に、私は…


「…な、に…それ…」

「……」

「……あの、」


ぽそ、と遠慮がちなジミンの声で
私もテヒョンもハッとしたように彼を見る


「……とりあえず、警察に電話した方が良いと思う。俺今ケータイ無いからどっちかの貸してもらえる?」

「…あ、私電話する…」

「いいから。俺がしとくから」


ん、と手をこっちに向けて広げるから
ここは甘えることにした。

ジミンにケータイを手渡すと
彼はまだ動かないテヒョンを押し退けてベッドから立ち上がり
そのままキッチンの方まで移動し操作を始める


「……」

「……」


二人の間に再び流れる沈黙

するとテヒョンは私の前までヨロヨロと移動し
崩れるようにどさりと座り込んだ


「……殴られたの…?」

「……」


そろそろと、長い指先を私の口の端へ這わす


「…っ、」

「、ごめん…痛かったな…」


触れた指先がジン、と染みて
私は一瞬顔をしかめた


「……俺が…」

「…ぇ?」

「………俺が、あの時出ていったから……」


そう言った瞳はゆらゆら揺れていて。

私の殴られた方の頬を見て
それから伸びた襟元へ視線を移し
また私を見る


「……テヒョン、」

「…俺が…ぐずぐずしてないで…もっと早く、」

「違うよ、テヒョンのせいじゃ」

「ごめんA、俺」

「テテ、」

「ごめん…」


ぎゅうぅ

泣きそうな声に胸が締め付けられて思わず彼の手を取ってなだめていると
そのまま反対の手が背中に回ってきて
私はテヒョンに抱き締められる形になった


「……」

「…無事で、良かった……」


さっきまで外気に晒されていたであろう彼の身体は冷たくて

抱き締められているのは私のはずなのに
あやすように彼の背中を擦っている自分がいた。

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設定タグ:防弾少年団 , BTS , ジミン/テヒョン   
作品ジャンル:恋愛
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いちごミルク(プロフ) - 世界観がすごくてハマってしまいます!! (2017年11月14日 5時) (レス) id: 62f9fc312d (このIDを非表示/違反報告)
睦月(プロフ) - ゆかこさん» またまたコメント嬉しいです(TT)本当にそんな大層なモノじゃないのですが…汗) でもそんな風に思って頂けるなんて無い脳みそ捻った甲斐があります!(TT)無事次の見通しができたら更新再開しますので、宜しくお願いします~(*^^*) (2016年1月30日 17時) (レス) id: 261454fd60 (このIDを非表示/違反報告)
睦月(プロフ) - ちょんぱむさん» コメントありがとうございますー!嬉しいです(TT)本当ですか!?数あるウラツクの中で読んでもらえてるだけでも嬉しいのに…光栄ですm(__)mおててもじみんちゃんもしっかり書いていきたいと思いますので今後ともお付き合い下さい! (2016年1月30日 16時) (レス) id: 261454fd60 (このIDを非表示/違反報告)
睦月(プロフ) - waka38bさん» わーん!ありがとうございます!!ちゃんと最後まで舵取っていけるように頑張りますー(;_;)怠け者発揮しないように見守っててください!(笑) (2016年1月30日 16時) (レス) id: 261454fd60 (このIDを非表示/違反報告)
睦月(プロフ) - りこふぁんさん» お久しぶりですー!ありがとうございます…うぅ(TT)そう言って頂けて気が楽になりました(TT)とりあえず生きて帰ってくるので!再び更新再開した際には宜しくお願いしますねー! (2016年1月30日 16時) (レス) id: 261454fd60 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:睦月 | 作成日時:2016年1月12日 17時

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