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もぐもぐもぐもぐ…
「…あの、」
「うまい」
「……」
なら良いんだけど
私が作ったチヂミをひょいひょいと口に入れては消化していくテヒョン
無心で食べる彼は結構無防備だ
それを良いことになんとなくその独特な顔を眺める
…食べてる姿は変わらないのになぁ…
こーゆー姿は昔と一緒でも
私を好きだという彼は中身だけが別人みたいだ
「…なに?」
「あ、ううん」
「ん」
「ん?」
「スープ飲みたい」
ずいっと差し出される空のお椀
作ってこいってか。
「ったく…はいはい。待ってて」
「ふっ…ほら、そーゆーとこも」
「え?」
「Aは俺に甘い」
「…もう諦めたよ。テテには勝てない」
「……」
はぁ、
ため息をついて立ち上がり
キッチンへ行って鍋に水を入れ
コンロに火をつける
分かっててさせるテヒョンは意地悪だ
…と思う
やれやれ、と首を振って
一旦戻ろうと振り返った
「っ!」
瞬間、
持っていたおたまを落としそうになった
「…テテ…?」
「……」
テヒョンは私のすぐ後ろに移動していたらしい
いつの間に
てか近すぎ…
「…どうしたの?」
なんとなく、顔を上げられない
「…Aはさ、」
「…うん?」
「俺には勝てないって言うけど」
「……」
「…そういうお前は最初っから負けてくれるつもりだろ?」
「…え?」
言葉につられて
つい目を合わせてしまった
…テヒョンの瞳って、真っ黒
「…Aの方がずるいよ」
「…テヒョン、なに…」
「Aがそんなんだと俺もっとずるくなる」
「…どーゆーい、み………っ!」
カチリ
後ろでコンロの火が消された音がした
「……」
「……止めないの?」
多分、距離は数センチ程ある
でも触れそうで触れないその辺りがじんじんする
「…やめて」
「………それ、止めてるつもり?」
「……」
スリ、
鼻先が当たって擦れた
「俺がずるくなったんならAのせいだよ」
「……」
「昔は俺もお前もこんなんじゃなかったのに」
「っ」
昔、ただ無邪気にじゃれあっていた私たち
やんちゃで素直で優しいテヒョン
いつの間にかテヒョンに恋していた私
脳裏に浮かんだ懐かしい記憶
よくわからない衝動で叫びたくなった
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いちごミルク(プロフ) - 世界観がすごくてハマってしまいます!! (2017年11月14日 5時) (レス) id: 62f9fc312d (このIDを非表示/違反報告)
睦月(プロフ) - ゆかこさん» またまたコメント嬉しいです(TT)本当にそんな大層なモノじゃないのですが…汗) でもそんな風に思って頂けるなんて無い脳みそ捻った甲斐があります!(TT)無事次の見通しができたら更新再開しますので、宜しくお願いします~(*^^*) (2016年1月30日 17時) (レス) id: 261454fd60 (このIDを非表示/違反報告)
睦月(プロフ) - ちょんぱむさん» コメントありがとうございますー!嬉しいです(TT)本当ですか!?数あるウラツクの中で読んでもらえてるだけでも嬉しいのに…光栄ですm(__)mおててもじみんちゃんもしっかり書いていきたいと思いますので今後ともお付き合い下さい! (2016年1月30日 16時) (レス) id: 261454fd60 (このIDを非表示/違反報告)
睦月(プロフ) - waka38bさん» わーん!ありがとうございます!!ちゃんと最後まで舵取っていけるように頑張りますー(;_;)怠け者発揮しないように見守っててください!(笑) (2016年1月30日 16時) (レス) id: 261454fd60 (このIDを非表示/違反報告)
睦月(プロフ) - りこふぁんさん» お久しぶりですー!ありがとうございます…うぅ(TT)そう言って頂けて気が楽になりました(TT)とりあえず生きて帰ってくるので!再び更新再開した際には宜しくお願いしますねー! (2016年1月30日 16時) (レス) id: 261454fd60 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:睦月 | 作成日時:2016年1月12日 17時