番外編その● ページ17
中学の時。
美術の時間に描いた俺の絵が
夏休みのコンクールで入賞した。
家族はみんなそれなりに絵が上手くて
俺は家族で一番下手だけれど
正直、同い年の中では自信があった。
先輩「すげぇじゃん、これ結構でかい規模のコンクールだろ？」
「………まぁ」
地元で仲良くしてくれる先輩。
公共ホールに飾られる事を教えたら
わざわざ一緒に見に行こうと誘ってくれた。
先輩「なんだよ、浮かない顔して」
「……いえ」
別に本気で最優秀作品狙ってたワケじゃないけど。
でも今回の最優秀取ったのが同い年の子だって聞いて
なんだか面白くなかった。
キュ、キュ、キュ、
キュ、キュ、キュ、
公共ホールに着いてすぐに
俺の作品は見つかった。
先輩「…おー………お前本当に多才だなぁ」
「…………そんなことないですよ」
誉められて少しこそばゆい。
でも
さっきから人が集まるあの場所が気になって仕方ない。
先輩「あそこ今回の最優秀作品だと。見に行くか？」
俺の視線を辿った先輩が気をきかせてくれる。
「………はい」
キュ、キュ、キュ、
キュ、キュ、キュ、
.
キュ…
絵の前に立ち止まった。
「………………」
大きな樹を面積一杯に描いただけの
シンプルな構図。
なのに。
「………………」
何だろう。
「…………すげぇ…」
思わずポツリと呟くと
隣にいた先輩も同じ気持ちだったみたいで
先輩「………すげぇな…」
ゆっくりと頷いた。
先輩「………たまにいるよな…」
「……え？」
続く先輩の言葉に耳を傾ける。
先輩「………上手い下手じゃなくてさ。
そーゆー次元じゃなく人を感動させるヤツ」
「……………」
.
作品の横に書かれた学校名と名前を見る。
学校は俺の通ってる学校からは少し遠い学区。
名前は事務所のダンスの先生と同じ名前。
「………………」
その後しばらく
俺はその場でずっと突っ立ったまま
目の前の絵を眺めていた。
.
俺がこの絵を描いた女の子と出逢うのは
それからもう少し先の話。
終わり
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ミントあいす - え、え？待ってください好き過ぎるんですけど！？最後の男の子はユンギさんでしょうか！？ちょっともう一周してきます！睦月様、素晴らしい作品をありがとうございました！！！ (2021年1月28日 13時) (
レス) id: cba6cd8e92 (このIDを非表示/違反報告)
めめ - とても読みやすかったです！グクペンの私にとてもピッタリでした！ (2020年5月6日 21時) (レス) id: 0ca2f629c8 (このIDを非表示/違反報告)
南(プロフ) - もう何回読んだか分からないくらい読んでいます！きっと未来は相手を好きな比率が逆転しているのではないかと想像しちゃいました♪素敵なお話ありがとうございました！！ (2019年10月3日 21時) (レス) id: c2094e147e (このIDを非表示/違反報告)
カフェ猫 - このお話をよんでとっても感動しました。ずっと粘り強くジョングクを好きでいた主人公の子を見てたら自然と泣いていました！最高のお話ありがとうございました！！！！ (2019年8月3日 20時) (レス) id: b3003ce2af (このIDを非表示/違反報告)
絢子 - ら本当に面白かったです！描写もリアルで想像しやすかったです！ずっと読んでおきたい！素敵なお話をありがとうございました！ (2018年7月6日 1時) (レス) id: 201f1c2903 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：睦月
| 作成日時：2015年8月1日 17時
