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MANKAI寮での生活は凄く楽しかった。だけどあの告白の日以来、私はマンションに戻ってきていた。マンションのドアを開けて、玄関の電気をつける。鍵は玄関の鍵置き場に。
「おかえり、A」
「ただいま、臣くん」
天鵞絨町から割と近い私の家に、臣さん...じゃなくて臣くんは一緒に住むことになった。ここからだと大学に近いらしい。寮の方の食事は大丈夫かな、と心配していたけどご飯を作ってからマンションに帰ってきているらしい。本当に働き者...というかおかんだ。
「今日は遅かったんだな？」
「そう、取材が長引いてね〜」
「そんなAにはこれだな」
ダイニングのテーブルに並んだ美味しそうな料理の数々。私は思わず「わあ！」と大きな声を上げてしまった。
「美味しそう！！！」
「冷める前に食べようか」
「うん！」
私は満面の笑みでそう言った。鞄を置いて上着を脱いで、ダイニングチェアに座ろうとした時。「ちょっと待て」と臣くんからの待ったがかかる。何だろうと臣くんの方を向くと、唇に暖かい感触。私は不意をつかれ、驚きを隠せないでいた。
「はい、頂きます」
「ちょっ...不意打ち！ずるい！」
「はは、Aが無防備なのが悪いな」
私がふてくされていると、向かいあわせで座っているはずなのに長い腕は私の頭を撫でる。それだけで心は満たされる。
「臣くんはずるい〜」
「そうか？ほら、食べるぞ」
「頂きます！」
ずるいけどそれもまた好き。そう言おうとしたけど、なんだか負けた気分になりそうでやめた。臣くんとこうして毎日過ごせることが、今の私の幸せだ。
...END...
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作者名：かりん | 作成日時：2018年5月8日 14時
